和歌山県は友ケ島周辺の超が付く、1級ポイント「ナカト」はとにかく、マダイが多く、魚がとても濃い。その魅力にどっぷりとハマってしまう人が続出しているのだが、ナカトはその地形上、急激なかけ上がりと川のように速い潮で、とても釣りが難しいと言われている。
そこで、今回はその「ナカト」を攻略するための方法を畑中丸の畑中船長に聞いてきたので、みなさんにお伝えしたい。
友ケ島周辺の1級ポイント「ナカト」とは?
和歌山の友ケ島周辺で釣りをしたことがある人にとっては憧れのポイントがある。それは「ナカト」と呼ばれるポイントだ。ナカトは紀伊水道の間にある地ノ島と沖ノ島の間に位置しており、何と言っても強烈な潮の流れと、激しいかけ上がりで魚影が抜群に濃いことで有名だ。
ナカトの1番浅い場所では10m前後と非常に浅く、狙うタナも40m前後から15m前後。畑中船長が話すには、ナカトで最も釣れる季節は4~6月頃。ナカトは潮や天候などの条件が重ならないとポイントへ行けないが、その潮の速さとかけ上がりでとてもテクニカルで面白い。また、時には大釣りが期待できるので人気が高い。
■ナカトは加太と淡路島の間にある島と島の間のポイント
■常に潮がよく流れている、また急なかけ上がりがある

ナカトから見る地ノ島

沖ノ島
高仕かけと呼ばれる仕かけを使用する
通常、加太のギジエマダイを楽しむ場合は、64、または73調子の竿がベターだが、ナカトでは82、または91調子がオススメ。この理由としては、底取りを確実にしなければいけないからだ。なので、底取りがしにくい軟らかい竿はオススメしない。
■ナカトでは82、91調子のロッドがよい
■ナカトでは手巻きリールが圧倒的に有利
また、ホゴオモリは根掛かりが外れやすいのでオススメ。しかし、接点が少ないので底取りはしにくいというデメリットもある。

右は通常多くの船宿で用意している六角オモリ。左がホゴオモリ
ギジエのチョイスで釣果がかわる!
加太の釣りでの醍醐味と言えば「ギジエ」と呼ばれる、ビニールや毛糸をエサに見立てて釣りをする釣法だ。ギジエは、マッチ・ザ・ベイトを意識することで釣果がグンとアップするそうだ。
現在、マダイのお尻からは黒墨色の糞が出ていたり、シラスを吐いたりするらしく、イカやタコの稚魚をメインにシラスを捕食している。イカやタコの稚魚の場合は毛糸を使用し、シラスパターンの時は白色の小さいビニールを使用する。
カラーとしては海中が澄んでいる場合は青や水色、濁りが出ている場合はオレンジ。ベースカラーはギジエだとピンクで、毛糸はエンジ色がよいそうだ。畑中丸ではいくつかのギジエを用意しており、船長がその日の状況に合ったギジエを教えてくれる。
■梅雨までは毛糸が◎で、シラスパターンには白も〇
■エンジ色や赤が基本カラーとなる毛糸。最近は毛糸に食いがよい
上が青色、下がピンクのビニールのギジエ。海中が澄んでいる時は青色がオススメ
指先の上にあるのが、シラスをイメージしたもの

畑中丸でさまざまなカラーの毛糸を用意している
とにかく、根掛かりしないように釣る
ナカトでは「とにかく底取りをすることと根掛かりを回避すること」、これが基本であり、最大のキモだ。
釣り方としては①サミングしながら仕かけを落とす②仕かけが底に着いたら、すぐにリールを3回巻く③コツっというオモリが底に着く感じがしたらまたすぐにリールを3回巻く。
これを繰り返す。アタリがでたら、ステイせずに巻き上げることが肝心だ。
魚が掛ってもゆっくりやり取りをしていると、そうこうしているうちに根掛かりして、魚もろとも仕かけがなくなるなんてことも。強気のやり取りが大切だ。
さて、いかがだっただろうか。
この攻略の鍵を参考にして、1人でも多くナカトを攻略してほしい。また、新たにナカトのファンが増えることを願う。

釣りが大好きな畑中船長