アユ釣りを楽しむ人たちの間でよく耳にする「追い星(おいぼし)」。アユの美しさや精悍さを表現する言葉として使われますが、一体どのようなものなのでしょうか。
追い星とは何か

追い星とは、アユの胸ビレの少し上、エラぶたの後方あたりに現れる、黄色からオレンジ色をした斑紋のことです。

アユの稚魚
稚魚の頃にはなく、成長して川の石についたコケ(藻類)を食べるようになる頃から徐々に現れます。暗い川の中でキラリと光る様子が夜空の流れ星のように見えることから、その風雅な名前が付けられたと言われています。
個体によって色や大きさが変わる理由

この追い星は、すべてのアユで同じように現れるわけではありません。色の濃さや大きさが変わる主な理由は、アユの「栄養状態」と「生活スタイル」です。

日当たりの良い川で良質なコケをたっぷり食べて育ったアユは、栄養状態が良く、追い星も大きく鮮やかに発色します。一方で、エサの少ない環境で育ったり、自分の縄張りを持たずに群れで生活したりするアユ(群れアユ)は、追い星が薄く小さくなる傾向があります。
追い星が鮮やかなアユの特徴
追い星がくっきりと鮮やかなアユには、「縄張り意識が非常に強い」という明確な特徴があります。自分のテリトリーに入ってきた他のアユを激しく追い払う、闘争心に溢れた個体です。活発に運動しているため身が引き締まっており、コケをしっかり食べているので特有の香りも強く、食べても美味しい良質なアユとされています。
アユ釣りと追い星の深い関係

日本独自の釣法である「友釣り」は、この習性を利用したものです。釣り人が操るオトリアユを縄張りに入れ、怒って体当たりしてきたところを掛け針で釣り上げます。つまり、釣り人にとって鮮やかな追い星は、強烈な引きで楽しませてくれる「元気で力強いアユ」の勲章なのです。
今度アユを見る機会があれば、ぜひ胸元で輝く「追い星」に注目してみてください。そのアユがどれほど力強く生きてきたのかが、少しだけ想像できるはずです。

























