二枚潮で渋い状況なのにタチウオが釣れ続ける「バイブレーションドリフト」とは【吉田昇平のセオリーin大阪湾①】

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釣り人にとって、やっかいな二枚潮。皆さんはどのように攻略していますか?

今回は第6回大阪湾タチウオKINGバトル(以下TKB)の優勝者で、シマノフィールドテスターの吉田昇平さんに、トーナメントでも使用しているメソッドを実釣取材してきました。

吉田昇平(よしだしょうへい) プロフィール

キャスティング、即掛けを得意とする大阪湾タチウオKINGバトル2018の優勝者。2017年にもセミファイナルトップ通過の実績も持つ凄腕アングラーでシマノフィールドテスター

そんな吉田さんは二枚潮を攻略し、何ならチャンスとして捉えて、こんな釣り方で攻略していました。

二枚潮を好機に変える“バイブレーションドリフト”

大阪湾、特に神戸沖では潮が複雑に流れ、二枚潮になることが多いフィールド。自分の釣りがやりづらくなるので、苦手意識が高い人も多いのでは。

吉田さんは二枚潮について、こう言います。

「二枚潮は寧ろチャンスです。今期ハマっている“バイブレーションドリフト”をすれば、ほかの人が苦戦している中、自分だけがバシバシ掛けられるので」

バイブレーションドリフト? 聞き慣れない言葉です。それはどういった釣法なのか詳しく聞いてみました。

バイブレーションドリフトとは

「釣れすぎるので、シークレットにしてたのですが…」と、吉田さん。

吉田さん曰く、バイブレーションドリフトとは、二枚潮を逆手にとった釣法で、狙ったタナで潮の流れにテンヤを乗せながらバイブレーションをして、ヒラを打たせながら狙ったタナを引いてくる釣り方だと言います。

アクション方法について

手順としては
①潮カミに遠投し、魚影の濃いタナまでフォールさせる。

②ラインが手前に戻ってくるまでの間、リールを巻かずに、魚影の濃いタナをヨコに引くイメージで、ひたすら細かくバイブレーション。

ポイントは、水中でテンヤがヒラを打つイメージでシェイクさせること。アワセるタイミングとしては、バイブレーション中にポーンと糸がフケるので、そのタイミングで掛けていくそうです。

③アタリがなければ、アタリダナの範囲でタナを変えて再投入。

この釣法は、例え群れが小さくても、狙ったタナを直撃させることができれば数を狙える超実践的な釣り方です。

手順は非常に簡単ですが、吉田さんは今期、このバイブレーションドリフトで釣果爆発中。9月の中旬段階でTKBの予選を突破しているのも、このバイブレーションドリフトがキーになっているのかもしれません。

使うテンヤは「SABER MASTER 船テンヤ」1択

シマノの代表的なテンヤには、「SABER MASTER 船テンヤ」と、「サーベルマスター 船テンヤ β」の2種類がありますが、どちらがバイブレーションドリフトに向いているのか吉田さんに聞いてみると

「バイブレーションドリフトは、私の感覚ですが、βよりもSABER MASTER 船テンヤの方が掛かりやすい気がします。ドリフト中はリールを巻かずとも常にテンヤが横移動しているので、シャンクが水平に近い方がストライクゾーンが広くなり、ミスバイトが減るような感じがします。また、バイブレーション特有のロールアクションが出しやすいのも、SABER MASTER 船テンヤの特徴ですね」

と、解説してくださりました。つまり、バイブレーションドリフトは、スリムヘッドでフォールスピードも速く、ヒラを打ちやすい「SABER MASTER 船テンヤ」1択。といったところでしょうか。

ちなみに取材当日に、吉田さんが1日通しで使っていたカラーは「ゼブラグローチャート」。大阪湾で実績のあるグロー系で、強すぎず、弱すぎずのアピールで1日を通して有効なカラー。

オススメのロッド

この釣法で使用するロッドに必要な条件は、遠投性とバイブレーションが伝わる硬度。

吉田さんのオススメは「サーベルマスター エクスチューン テンヤ91 H173」。9:1調子でバイブレーションさせやすく、全長173cmの長さで遠投性も◎。

繊細なティップでアタリも取りやすいので、バイブレーションドリフトに向いているそうです。

逆境を跳ね返すことが釣果へ繋がる

吉田さんは、安定した釣果を出す人には共通点があると言います。

その共通点は、逆境に対する引き出しが多いこと

釣れているタイミングは、そこまで差が開くことがないが、重要なのはアタリが渋く釣れていない時。その逆境とも言える状況に対応できるメソッドを多く持つ人が、釣果を出し続けることができるとのこと。

今回紹介したバイブレーションドリフトも、まさしく二枚潮という不利な状況を好機に変える釣法です。

テンヤタチウオの釣果を伸ばしたい、と感じている方は、ぜひバイブレーションドリフトを実践してみてはいかがでしょうか。

シマノ(Shimano)

1921年創業。1970年に「レジャーを通して人々の健康に寄与する 」という企業哲学のもと、釣具事業部が発足。リール、ロッド、ルアー、用品などクオリティの高いアイテムの開発、製造、販売までを行い、釣具の総合ブランドとして、国内外問わず多くのファンを抱えている。独自の技術も数多く、世界に誇るジャパンクオリティを提供し続けている。

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