【関西つり堀KINGバトル予選突破劇】状況変化を見極め、手にした切符!エサのローテーションと使いどころがキモ

寄稿:沖長 孝幸

沖長 孝幸(おきなが たかゆき) プロフィール

釣り歴は25年、主にはチヌを狙った防波堤での落とし込みやフカセ釣りを経験し、海上釣堀は10年。ホームグランドは和歌山の釣堀紀州。海上釣堀の奥深さに感銘を受け、この釣りにのめり込み、3年前から、この感動を届けたいと、Youtubeでの動画投稿を開始。 本多商店フィールドアドバイザー、がまかつファクトリーモニター として活躍中。2024年関西つり堀KINGバトル、準決勝進出。

第2回関西つり堀KINGバトル、今年も大いに盛り上がりを見せている。昨年と大きく変わったのは、予選会の回数と予選通過者が2倍となり、準決勝進出者はなんと80名となった。

そんな予選会も増えたからといって、容易に通過できるものでもない。各会20名前後で競技し、上位2名が準決勝の切符を手にできる狭き門なのである。

関西つり堀KINGバトル予選突破劇

さあ今回で今年5度目となる予選会挑戦、やって来たのは準ホームグランドでもある水宝だ。とにかく水宝は関西では、人気も規模もNo.1の海上釣堀とあって、この日の予選会参加者は27名、抽選により4筏に分かれての競技となる。そしてこの中から上位2名が準決勝への切符を手にできる。

午前7時頃、姫路港から30分かけ、家島の水宝へ到着。そして桟橋に設置された招き猫に一礼し、決戦の舞台へと向かう。まずは、何といっても釣座が大事なのだが、これまでの予選会では全く釣座運には恵まれなかった。

そこで今回は本多商店の本多さんに、抽選棒を引いてもらうことに、決まった釣座が5番イケスの東側と望んでいた釣座、これは期待が持てそうだ。

さあそうなればあとは、釣るのみ。

持ち込んだエサを信じ、エサのローテーションで1尾でも多く釣っていきたい。

予選会スタート

さあ鐘の合図で競技が開始された。

まず水宝と言えば、開始直後のマダイの高活性タイム。

海上釣堀ではモーニングタイムと呼んでいる。手にしたエサは「黄龍」。

出典:本多商店

アドバイザーとして初めて携わったエサだけに、思い入れは強く、まずはこの黄龍からと決めていた。

そんな「黄龍」は視覚的にもアピール度の高いエサ、高活性時には非常によい勢いで食ってくることも。しかし今回は、マダイの口の中に収まりきっていないのか、アタリはあるのだが素針を引くことが数回あった。

そうエサの大きさが大き過ぎたのである。「黄龍」は煙幕で誘うことを目的としたエサだけに、やや溶けて小さくなってからが食わせの好タイミングとなる。つまり、今回の高活性時には、食らいつくには少し大きかったのであろう。

即座に半分の大きさへ調整し、マダイを4尾釣り上げるもモーニングの時合いは終わった。

しかし周囲の猛者たちは、概ね6~8尾釣り上げている様子に完全なビハインドとなってしまった。

青物狙いに切り替える

中盤を迎える所で8ポイント(大会規定:マダイ2P・青物5P・他3P)、この時点で20Pに迫る方もいた。なんとか挽回するためには、5Pの青物を狙うしかなく、エサを活きアジに変え、ハマチとヤンバルスギ(沖縄での養殖魚)という、珍しい魚を追加した。

ここでポイントは18P となり、ようやく周囲に追いつくことに…。

さあ試合も後半戦。このままでは予選通過は到底困難な状況だったが、隣の釣り人から「黄龍でよくアタリますよ」との情報が入った。

こうした情報共有はとても気持ちがいいし、その後、よき釣り仲間となれる所も大会のよい所だ。

そんな中、「黄龍」を大きく誘い、煙幕で誘ってみた所でマダイらしい前アタリと本アタリで、1尾を追加し20Pとした。ここは仲間に感謝だ!

そして残り1時間を迎えた所で、周囲とは僅差だった。

シラサエビ主体で深いタナを狙うことに

何かを変えていかなければならない…。エサを大きくチェンジし、シラサエビ主体に変更。

そして狙いのタナも10m強と、かなり深い所を狙うことにした。なぜなら、気温も上昇し、少しでも水温の低い深場にマダイが群れていると想定したからだ。

そして狙いは的中し、2投連続でマダイを仕留めた所で、同じイケスの中では首位となった。しかし、これではまだ他のイケスには勝てない。何としても、まだマダイの釣果が必要だったが、アタリもそう長くは続いていかない。

「火山」のバラケでマダイを寄せる

さあ考えどころ、後半のシラサエビはこれまでの経験からも継続したい。しかし何かマダイを寄せる、足止めする、ひと工夫が必要と感じていた。そこで、使用したのが本多商店の代表エサのひとつ「火山」だ…。

シラサエビをつけたハリの上部に火山をひとつ、団子状にし投入。少しした所で、この「火山」はゆっくりとバラけ出す。

そう、このバラけがマダイを寄せ、足止めしてくれるのだ。期待通りに、すっと引き込んだウキアタリでマダイを追加し、これで全体のポイントの上では2位タイとなったが、どうやら尾数では負けているため、3位とのこと(泣)。

残り10分、作戦変更はもうない。シラサエビ+「黄龍」シラサエビ+「火山」を打ち返す。

このままでは、3位で敗北必至の状況に懸命に誘いを掛けると、わずかにウキが海面に沈んだ所を逃さなかった。

仕留めたのは、逆転の貴重なマダイであった。

最後の最後まで諦めない

このまま終わればドラマなのだが、周囲のライバルたちは、一発逆転を狙い青物を狙ってくる。そう考えると最後の最後まで、1尾でも追加しておきたい。

もう手を変えることはない、シラサエビでの懸命のアタック!そうすると、また小さなアタリを捉えることができた。今度は一転、強烈な引き込みにドラグ音が鳴り響くが、惜しくもフックアウトに応援者からも残念の声…。

しかし、残り1分30秒に再び同じ引き込みが訪れる。今度はしっかりフッキングしているが、姿を見せたのは良型のシマアジだ。ここにきての難敵シマアジは、口が弱く、強引に行っては口が切れてバラしてしまう。

だが、このシマアジの3ポイントは非常に大きい、やり取りもドキドキだが、ちょうど終了の合図とともにランディングに成功!

これで31Pとなり単独2位が確定、つまりは予選突破だ。

海上釣堀は釣堀と言えど、自然の海が相手。そして潮流、透明度、日差し、風によりイケスの状況も刻々と変化する。

つまりは魚が群れる場所も自ずと偏ることもあれば、魚の警戒心が強まり釣れない時間帯もある。そのような状況変化を見極め、そして群れを寄せる、留める、警戒心を解くためのエサ選択とローテーションが、なにより重要となる。

今回使用した本多商店の「黄龍」と「火山」は、そのようなコンセプトから設計されたエサだ。難しく考えると奥が深いが、まずは1度手に取って使ってみていただきたい。思わぬタイミングで連発するやもしれませんよ。

本多商店公式「快釣エサ・極みシリーズ黄龍」の詳細ページはこちら
本多商店公式「快釣エサ 極みシリーズ 火山」の詳細ページはこちら

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本多商店 快釣エサ(ほんだしょうてん かいちょうえさ) プロフィール

兵庫・尼崎に事務所を構える「本多商店」。「もっと釣りたい」という純粋な思いから、オリジナルのエサ作りを始め、その評判が口コミで広がり、今や関西各地の釣具店や海上釣堀で購入できるほどに。 エサに対して妥協は許さず、時期に合わせ、カットサイズを調節するなど手は抜かない。 代表の本多氏は自身でYouTubeチャンネル「爆釣連合 会長チャンネル」を開設し、海上釣堀やエサの魅力について発信。現在がまかつファクトリーモニターも務めている。

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