【40回を数える体験会で初めての快挙】佐々木洋三と行く!タイラバ体験会がアツかった!

寄稿:佐々木 洋三

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

桜花爛漫、産卵を迎えた「花見鯛」を正岡子規は、こう詠んだ。

「刺し身もさることながら白子や真子を美酒の佳肴に堪能できるのも桜鯛ならではの楽しみである。」

とりわけ、私が好むのは骨に瘤(こぶ)のある鳴門ダイ。元禄10年(1697)に刊行された「本朝食鑑」(人見必大著)には、「形・色は普通で大骨の節の辺に瘤(こぶ)をつけたものがある。俗に鯛が阿波の鳴戸の急灘を乗りきると骨が疲れるので瘤が出来る」と記載されている。

瀬戸内の産卵場を目指し、骨が折れるまで激流の海峡を泳ぎ渡る鳴門ダイの身は引き締まり、その歯応えと上品な味わいは百魚の王・マダイの中でも1級品だ。

そんな鳴門の桜ダイが釣りたくて、春の鳴門通いは私の年中行事だ。

佐々木洋三と行く! 第40回鯛ラバ体験会をレポート

久々の好天に恵まれた4月13日、鳴門の桜ダイを釣ろうと「佐々木洋三と行く! 第40回鯛ラバ体験会」が開催された。

乗船したのは、今日のタイラバブームの火付け役となった鳴門の「つるぎ」。船釣りは初めてと言う方から経験者まで、定員いっぱいの10人を迎えた。

西上卓志船長にお願いし、まずは入門者向けに根掛かりの少ない砂地の漁場で、タイラバの着底を掴む練習からスタート。

鳴門のような急流では、タイラバが着底した瞬間を見逃すと、船が流されて、どんどんラインが出ていく。そうなると、ほかの釣り人とオマツリするし、根掛かりの原因に。

リールの操作も含めて丁寧に教えていると、ベテランの松内満氏の竿が曲がる。イネゴチをキャッチし、本人は苦笑い。

6時半、少し慣れた頃に、鳴門海峡大橋の北側の漁場に船を進めると、左舷胴の間に陣取った加藤稔氏が、小型のマダイを釣り上げた。

間髪を入れずに、常連メンバーの平山義彦氏が右舷大ドモで同サイズのマダイを釣り上げる。

「今日はエエ感じのスタートやな」と話していたら、それからは全くアタリがない。

1時間後の7時45分、ようやく左舷ミヨシの北野氏が小ダイを釣り上げ、リリース。さらに1時間後の8時40分に、今度は右舷胴の間の中村幸司氏が小ダイをゲット。

それから、マダイは全く沈黙。船長は潮が動くポイントへ移動を繰り返し、鳴門海峡大橋南側の漁場へ移動。10時ちょうどに八木章人氏が、コブラカーリーのゼブラゴールドで、38cmのマダイを釣り上げた。

鳴門海峡

淡路島と四国を結ぶ幅1.4kmの海峡は、最狭部の深さが90m、北側は深さ200m、南側には深さ140mの海釜(かいふ)と呼ばれる深みがあり、最大流速は11ノット (20km/H)に及ぶ。

これは日本国内で最も速く、有名な渦潮は大きいもので直径20mに達する。こんな漁場なので、定置網を仕かけることは到底不可能。だから、鳴門の漁師は急流でマダイを釣る、さまざまな1本釣りの技術を発展させてきた。

筒に生きたエビを詰めるマキエ漁の「大名釣り」もその1つだ。

本職の釣りを学ぼうと、鳴門の漁師の船に乗り込み、その漁を見学させていただいたことがあるが、マダイの習性を知り尽くした漁師の技が凄かった。

4本の針にウタセエビを刺し、筒の中に入れる。コマセのウタセエビを詰め、筒を海底に沈める。着底と同時に釣り糸を跳ね上げると、筒からウタセエビが飛び出し、そこに群がったマダイが針に掛かる。

その手際のよさ、手返しの早さは見事で、2尾、3尾のマダイが次々と掛かり、瞬く間に54尾のマダイを釣り上げた。

眼を見張ったのは頻繁に針先を確認し、素早く結び直すこと。いかに釣り人が針先に無頓着か、よい勉強になった。

タイラバ釣りも、こうした漁場で磨かれてきた釣法なのである。

西上船長に伺うと、「もうすぐ下り潮に転流する。大橋北側の漁場に戻り、その潮でマダイを捕えたい」と言う。

まさかの6人同時ヒット!

西上船長の読みは、見事だった。11時5分、加藤氏が40cm弱のマダイをゲット。続いて、小林麗子さんが良型のイネゴチをキャッチ。仲みゆきさんも30cmのマダイを釣り上げた。

そして圧巻の13時、仲みゆきさん、北野一夫氏、大堂浩二氏、加藤稔氏、平山義彦氏、武内亮輔氏の6人が同時ヒット。

40回を数えるこの体験会でも、初めての快挙である。武内氏のマダイは約50cmで、この日最大となり、大物賞のマグロの中トロ1kgを獲得した。

小ダイ狙いで数を稼いだ北野一夫氏は最多賞で、ハピソンの「アニサキスライト」を。

納竿間際には初めてタイラバ釣りを体験した大堂浩二氏が良型のマダイを追加し、ご満悦。

終わりよければ全てよし。記憶に残る体験会となった。

筆者のタックル

ロッド:エンゲツ リミテッドFS-B66ML
リール:エンゲツ プレミアム150PG
ロッド:エンゲツ リミテッドN-B610ML-S
リール:オシアコンクエストCT 200PG
ライン:PE タナトル8・0.6号
リーダー:フロロカーボンリーダー2.5号(3.5m)
フック:鯛ラバPEアシストフック「佐々木流IPPON勝負」バーブレスM、L、喰わせ鈎/バーブレス 8号、10号、12号、14号
タイラバヘッド:炎月 バクバク TG 60、70、90g、炎月タイガーバクバク100、120、150、200g
タイラバネクタイ:コブラカーリーコブラカーリースリムトラッドピンテール、テスト用シングルカーリー

ランキング

釣り場・釣り船の情報をまるっとチェック!