【タイラバアングラー必見】アタリの数を増やしバラシの数を減らす「フック考」

寄稿:佐々木洋三

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

タイラバの名手がフックについて考察

「アタリの数」を増やす方法

タイラバでの釣果はご存知の通り、「アタリの数」×「フッキング率」。アタリが多いか少ないかはネクタイの形状、カラー、厚み、材質、針数、巻きスピード、セッティングの良し悪しで決まる。

同じヘッドに同じネクタイ、同じ巻きスピードでも、釣果に差が付くのは、セッティングの微妙な違いで、ヘッドが回転したりと、不自然な動きをしているからだ。

タイラバ釣りはネクタイをなびかせ、その波動でマダイを誘う釣りである。

遠くのマダイが、まず波動を聞きつけ、タイラバに接近し、目で見て、匂いを嗅ぎ、口で触って、食べるかどうかを判断している。

あたかも遠くに聞こえる祭り太鼓に惹き寄せられ、ズラリと並んだ屋台の匂いに反応する人間と、同じ行動原理である。

低活性時には断然有利な「IPPON勝負」

フッキングは針の形状、サイズ、アシストラインの硬さと長さ、針数、そして針先の鋭さに左右される。

活性の低い厳冬期に有利なのは、何と言っても1本針仕様。

3年間で39回のタイラバ講習会を開催し、参加者の皆さんに1本針仕様、2本針仕様とお試しいただいたが、アタリが断然多いのは明らかに1本針。

ネクタイの動きを阻害せず、デッドスローでもよく動く。さらにネクタイの針絡みも激減する。

フッキングパワーも、1本針なら針先に100%の力が、2本針なら50%×2と、1本当たりのフッキングパワーは半減する。アタリ数を増やすなら、1本針が有利だ。

下唇の外掛けは「正解」

マダイの口に、どのような状況でフッキングしているか、さまざまなパターンを検証してみた。

意外なことに、上唇を貫通するケースよりも、下唇を外から縫い刺すパターンが多いことに、驚かされる。

これは、本紙でお馴染みの鳴門のライラバ船「つるぎ」の西上卓志船長からもご指摘いただいたのだが、タイラバ釣りでは、下唇の外掛けも「正解」ということを意味している。

下唇に外側から触れただけで、まるでアユ針のように、スッと刺さっていく細軸のバーブレスフックが極めて有効と考え、筆者は、「TAIGA鯛ラバ専用アシストフック 喰わせ鈎/バーブレス」を監修した。

独特のネムリ形状が下唇を捉え、確実に縫い刺してくれる。針のフトコロまで刺されば、細軸でもフックを伸ばされる心配はない。

針先はキンキンに尖った物を使おう。爪を立てて、少しでも滑るようなら、すぐに交換する。本職のマダイ釣り漁師さんとご一緒して驚いたのだが、1尾釣る毎に針先を確認し、頻繁に針を交換していた。

それに対して釣り人は、針先にあまりに無頓着である。1度使用したフックは廃棄して、常に新しい針を使うべきだと思う。

2本針を1本にし、その分、頻繁に交換して新しい針を使うようにしよう。フックだけを簡単に交換できるシステムも完成した。機会を見て、ご紹介したい。

一方、バーブレスフックが不安と言う方には、「TAIGA鯛ラバ専用アシストフック 掛けあわせ鈎/ドテラ&DEEP」の8号、9号を推薦したい。

明石では島虎丸の島北船長をはじめ、多くの皆さんにご愛用いただいている、実績のあるタイラバ専用フックだ。

“ダブルフックだからバレない”は間違い

シングルフックの方がアタリが多いと分かっていても、バラシを恐れてダブルフック(2本針)を愛用される方も多いと思う。

私の実釣データから言えば、ダブルフックの方が、シングルフックよりもバレにくいということは全くない。

通常サイズ・厚みのネクタイを使用する場合、ダブルフックは、アシストフックを短くし、短い方は1~1.5cm、長い方は2.5~3cmというのが、ネクタイの動きを阻害することなく、ベストバランスだ。

よく、マダイがネクタイだけを引っ張った、モゾっとしたアタリに対し、フックやアシストラインを引っ張ったものを「明確なアタリ」と呼ぶ。

活性が低い時に、マダイが1度、フックに触ると、もう追い食いをしてこない。ネクタイだけをついばませて、最後にフッキングさせるには、このショートアシストが有効である。

アシストラインは、マダイの吸い込みを重視して、柔らかいPEライン(5~6号)を使用。自作するのが苦手な方には、「TAIGA鯛ラバ専用アシストフック 喰わせ鈎/バーブレス」をオススメしたい。

ドラグはユルユルに!

よく、「アタリの数だけ釣る努力」と言われるが、この時期のマダイはショートバイトが多く、唇の皮1枚を縫い刺して上がってくることが多い。ドラグはユルユルにし、焦らずに一定のスピードで、ゆっくりと巻き上げる。

ポンピングをする方を見掛けるが、ロッドを上下させることなく、一定のテンションを掛けながら、そろりそろりと巻き上げてくるのが正解である。

ロッドを下げる時に、テンションが抜けて、バラシに繋がるからだ。

ヒットすると、大暴れをするシロアマダイも、シングルフックのバーブレスで好釣果を上げている。

激戦区である明石のフックシステムをマスターし、アナタもアタリの数だけ獲る釣り師を目指そう!

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