【高級魚シロアマダイの聖地】高知・土佐湾 須崎市の魅力を満喫!

寄稿:佐々木洋三

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

高知の土佐湾・須崎市について

昨年11月、高知県須崎市は全国初の「釣り人に優しいまちづくりを目指す『釣りバカシティ宣言』」を発表した。

ロゴマークには人気マンガ「釣りバカ日誌」のハマちゃんを起用。市内には、主人公が勤務する鈴木建設の「須崎(仮)営業所」も。記者会見には筆者も参列したのだが、そんなご縁もあって、須崎へ釣行する機会が、めっきり増えた。

何より嬉しいのは、アフターフィッシングに楽しめる旬魚や、鍋焼きラーメンなどの、ご当地グルメが充実していることだ。

須崎市は真冬のタイラバの好場

須崎市は黒潮薫る雄大な太平洋に面し、総延長120㎞に及ぶ、リアス式海岸を有する海の町。釣れる魚種も豊富で、年中通してさまざまな釣りを楽しむことができる。

古くから磯釣りを楽しむ釣り人に愛され、近年ではタイラバなど、遊漁船による土佐湾ルアーフィッシングが大人気だ。

1月初旬、地元須崎市のメンバーも加わり、2船体制でのタイラバ釣行会を開催。何せ、落として巻くだけという容易なタイラバだけに、船釣りが初めてと言う女性陣も参戦した。

須崎観光漁業センターに所属するオッカム号と、筆者はエンジョイクルー号に乗り込み、8時半に出船。前夜のシケで少々ウネリが残る中、興津埼沖のシロアマダイの漁場を目指した。

早春の陽光がキラキラと眩しく、コバルトブルーの海が美しい。

須崎沖は季節風にめっぽう強く、少々北西風が吹き荒れても四国山地が風を遮り、海は穏やか。しかも黒潮の影響で水温は高く、魚の活性も高い。厳冬期のタイラバ釣りにはもってこいの漁場だ。

松田船長は水深40m前後の漁場から、シロアマダイの実績がある水深70mの沖合まで探る。我々のほかには1船も見当たらず、好漁場を独り占めだ。

須崎市役所に勤める鬼頭香さんが良型のイトヨリを、筆者は良型のレンコダイ、そして巨大なアオハタを釣り上げ、豊穣な土佐湾の旬魚を追加した。

魅惑の土佐湾

私が初めて土佐湾でタイラバをしたのは、2014年7月。かれこれ10年も昔のことである。

黒潮が流れる土佐湾は、マハタをはじめ、高級根魚の宝庫。根魚の外道にマダイが釣れる程度で、マダイを専門に狙う釣り人は少なかった。そんな土佐湾で、タイラバが成立するかを確かめたかったのである。

阪神タイガースのキャンプ地として名高い、安芸の遊漁船・神栄丸が98cm、10kgの大ダイを釣り上げたと聞き、さっそく出向いた私に、70cmを超えるマダイが連発。

そして、20分を超えるファイトの末に、100mもPEラインを引き出し、それをブチ切った「巨ダイ」も存在する。

シロアマダイの聖地・須崎沖

大ダイ狙いの夢は覚めやらず、さらに高知市の西海域の須崎沖まで足を伸ばすようになった。

そんなタイラバ釣行を重ねるうちに、須崎沖は高級魚であるシロアマダイが、タイラバでよく釣れることが分かった。

この日、ご一緒した黒笹慈幾氏は、昨年9月に1人で7尾ものシロアマダイを釣り上げていると言う。

アマダイの仲間でも、最も美味しいとされるシロアマダイ。アマダイ類の中では最も身がしっかりし、熱を通しても硬くならない。脂が乗り、身は弾力に富み、芳醇な脂と歯応えが魅力だ。

多くは料亭など高級料理店に卸されるので「幻のアマダイ」と称される由縁である。そんな高級魚が、落として巻くだけのタイラバで釣れるのだから、嬉しい。

下り潮を釣れ

土佐湾は西から流れる黒潮が室戸岬に当たり、足摺岬へ反転する下り潮が好釣果に恵まれる。午後になって、少し潮が流れ出した時であった。

突然、ゴンゴンと引っ手繰るような重量感のあるアタリで、穂先が絞り込まれた。

ネクタイはプロトモデル。ネクタイがよくナビくように、フックはシングルのバーブレス。10mも巻き上げると、まるでバレたかのように大人しくなる。そして、中層で再び暴れ始めた。典型的なアマダイの引きである。

また大人しくなり、最後に船ベリで大暴れ。柔軟なシマノのタイラバ専用ロッドが、アマダイの強い引きをいなしてくれる。

何と言っても、コバルトブルーの黒潮を割って浮かび上がるシロアマダイの美しさと言ったら、筆舌に尽くし難い。

そして、松田船長のタモに収まったのは、堂々たる52cm。2日間を通して、最大の魚となった。

その10分後、今度は鬼頭さんが45cmのシロアマダイを釣り上げた。

いやはや、何と豊かな漁場なのか。この豊饒な須崎の海が、多くの釣り人に愛され、この町が持続可能な発展を遂げることを、願ってやまない。

筆者のタックル

■電動タックル
ロッド:炎月XR N-B610ML-S
リール:フォースマスター200DH
■手巻きタックル
ロッド:炎月リミテッドFS-B66M
リール:オシアコンクエストCT200HG
■そのほか
ライン:PE タナトル8・0.8号
リーダー:フロロカーボンリーダー3~5号(3m)
フック:鯛ラバPEアシストフック「佐々木流IPPON勝負」バーブレスM、L、喰わせ鈎/バーブレス 8号、10号、12号、14号
タイラバヘッド:炎月ヒューストンバクバク TGヘッド45、60、70、90g、炎月タイガーバクバク60、80、100、120、150g
タイラバネクタイ:コブラカーリーコブラカーリースリムトラッドピンテール、(レッドゼブラ、オレンジゼブラ、シャインオレンジ)、プロトネクタイ

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