【名手佐々木洋三が語る】明石海峡のタイラバってどーなの?

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

各地で高い人気を誇るタイラバ。

そんな各地のタイラバ釣りを釣場速報本紙でもおなじみ、今日のタイラバを牽引する名手佐々木洋三氏が紹介してくれる。

今回は8月下旬、上州屋関西地区の社員のタイラバ体験会のお誘いをいただいた。場所は好釣果が続いている明石。そんな訳で、タイラバ釣りの明石の今を紹介しよう。

明石海峡周辺の釣り場ってどんなところ?

明石海峡の最狭部は幅3.6kmと狭く、大潮時の流速は最大7ノット (時速13km)を超える。

世界最長の吊り橋、明石海峡大橋の橋脚には轟々と流れる潮流が当たり、大きな渦を巻く。

そんな海だから明石のマダイは身が引き締まり、もっちりとした歯応えは百魚の王に相応しい。

もう少し加えると、明石海峡とその周辺水域は海底地形、底質潮流、水 深等が極めて複雑で、変化に富んでいる。

本州側と淡路島側から緩やかに下ってきた海底は、深さ50m付近から突然険しく落ち込み、深さ約100mの帯状の谷が西北西―東南東の方向にほぼ1kmの幅で走っている。

また、明石から林崎の沿岸寄りに水深160mに達する海峡で最も深い谷が、そして舞子と松帆崎のほぼ中間に水深120mの谷がある。

さらに、周囲の海底より、20mほど小高くなっている海底丘陵が岩屋~鵜崎の沖にあり、潮流によって上昇流が生ずるため、好漁場を形成している。

マダイは水深50~70mの起伏の激しい岩場に棲息し、その行動は潮流に左右される。マダイがよく口を使うのは、潮が流れてくる方向と反対側の山影であることから、明石がいかにマダイの好漁場であるかが、お分かりいただけると思う。

潮流ごとにポイントを見極め、マダイが口を使う潮を追っていく船長でなければ、この海は釣りにならない。

明石のタイラバは秋パターンに突入

東二見のタイラバ船、海豚で6時半に出船。

日差しは強いものの、海は秋の気配が漂い、明石のマダイも秋のパターンへの端境期となってきた。

この時期、ベイトフィッシュは海峡を下り、西から大阪湾へと南下する。

マダイや青物もその群れを追って移動する。

だから昨日釣れたポイントで、今日も釣れるとは限らず、ベイトを探して走り回る釣りとなる。

当日の明石は8時34分に干潮を迎えて、だらだらした上り潮が続く小潮回り。

潮が転流した8時半、船は西へ戻り、タイラバを巻くリールのハンドルが、グッと重くなり始めた頃だった。

最初のヒットは上州屋京都伏見店の大上和宏氏。

8時50分に良型マダイをキャッチ。

この1尾を皮切りにラッシュが始まった。

8時51分、滋賀栗東店の大江慶喜氏がアベレージサイズをゲット。

続いて、奈良店の石川宏明氏、京都伏見店の大上和宏氏のトリプルヒットで一気に盛り上がった。

転流直後の2枚潮でラインが斜めに出ていくので、私は喰わせ鈎から、掛け合わせ鈎に変更し、40cmのマダイがヒット。

すると、私と背中合わせの左舷の釣座に陣取った幸野大介氏の竿先が絞り込まれ、同じサイズのマダイをキャッチ。

幸野氏とは、同じタイミングのヒットが相次ぎ、船の流れる筋が同じなのかも知れなかった。

その後も休みなく釣れ続き、10時25分、京都伏見店の尾本明人氏ロッドが絞り込まれた。

何やらただならぬ雰囲気だ。

そして、タモに納まったこの日最大62cmのマダイに船上は湧き上がった。

尾本氏のネクタイはラバースカートを外し、タコベイトとネクタイだけのシンプルな仕かけ。

最近の傾向はシリコン系のネクタイに好反応なことが多い!

この日ヒットしたネクタイは、そのほとんどがシリコン系で、集魚系よりもしっかり波動の出るシリコンネクタイの方がアタリが多いというのが最近の傾向である。

10時50分、滋賀栗東店の西村達氏にプロポーションのよいマダイがヒット。

やはり、シリコン系の細い赤カーリーのネクタイであった。

続いて、11時に私の左隣で大江慶喜氏がタイガーバクバクの80gにオレンジカーリー、ラバースカートなしで良型のマダイを釣り上げた。

11時半、私と幸野氏でグッドサイズのマダイをヒット。

「また同時ヒットですね!」と大笑い。

マリンコンパニオン奈良橿原店の岩江博文氏もマダイを追加した。

14時半にこの日14尾目のマダイが私のロッドを絞り込んだ。

やはりラバースカートを外したカーリータイプのシリコンネクタイである。

金龍鉤のフックがよい仕事をしてくれた

テスト中の金龍鉤の掛け合わせフックもよい仕事をしてくれたのが嬉しい。

こうした釣果に恵まれたのも、端境期の明石の海を知り尽くした経験豊富な船長の的確な判断と、参加者の熱心な探究心の賜物だ。

最後に記念撮影。海豚の船長は後段左

資源を大切にしながら、いつまでもタイラバ釣りを楽しむことができる明石の海を守っていきたいものだ。

ランキング

釣り場・釣り船の情報をまるっとチェック!