【タイラバにおける電動リールのメリットってなぁに?】気になる疑問を解決します!

寄稿:佐々木洋三

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

最近、電動リールでタイラバを楽しむ釣り人が増えてきた。「手巻きリールと電動リール、どちらが有利か、釣果的にはどうか?」と、いう質問を耳にする。

釣りは個人の楽しみだから、手巻きもよし、電動リールを楽しむのも自由である。

ただ、電動タイラバについて、あまりご存知ない方もいると思うので、今回は電動タイラバを解説したい。

電動リールのメリット

①究極の等速巻き
タイラバ釣りの基本は等速巻きである。何と言っても、1番のメリットは「完璧な等速巻き」だ。

最近のリールは「等速巻き制御機能」と言って、スプールの糸巻き量の増減に関わらず、回転数を自動的に制御して、完璧な等速巻きを実現している。いかに名人と言えど、このコンピュータに制御された完璧な等速巻きに敵うことはできない。

②ヒットスピードを再現
電動リールは巻きスピードがデジタル表示される。もし、12の速度でマダイがヒットしたら、デジタル表示に従い、次も同じスピードを再現することができる。

また、同じ電動リールを使用している仲間で「12のスピードでヒットした」とヒットの速度を共有することも可能だ。私がこのデジタル表示機能をよく活用するのは、タイラバを着底させる毎に巻きスピードを11→12→13とひと目盛りずつかえて、その時のアタる速度を科学的に探り出すというメソッド。

手巻きでは到底できないような、細かい刻み幅で巻きスピードを探っていけるので、とても優位な機能だと思う。

③手巻きスピードを表示
私が推薦するフォースマスター600や300は、手巻き時のスピードをカウンターに表示してくれる。まず、手巻きでアタリスピードを探り、そのスピードを電動で再現して誘うことも可能となる。

そして、クラッチを入れるだけで、再び同じスピードで巻き始めてくれる。だから、ダイヤルを再調整することなく、着底後、即座に設定した巻きスピードを再現できる。タイラバをやり込んでいる人ならばご存知だと思うが、着底後すぐに等速で巻き始めることは極めて重要。これぞ究極の「タイラバ電動リール」と言えるのではないだろうか。

④回収、ドテラ釣りが楽
第4のメリットは、タイラバの回収が楽なこと。水深が100mを超える深場では、タイラバのピックアップはひと苦労。ましてや、パワーギアを使用している時は、ハンドルを回す回数も半端ではない。

日本海でよく行われるドテラ釣りでは、釣り人全員が片舷に立ち、船を風に対して横向きに流して広くボトムをトレースする釣り方をするので、200m以上のラインが引き出されることもある。

⑤優位に大ダイ狙い
では、大ダイとのファイトはどうなのか?

私のタイラバのレコードは屋久島で釣り上げた92cm。実はこの大ダイ、電動リールのフォースマスター300DHで上げた。
ちょうど釣り番組のロケ中で、ユーチューブのシマノTV「いつでも釣り気分♯175~世界遺産・屋久島! 神秘の海に大型マダイを狙う~」にアップされている。関心のある方はご覧頂きたい。

大ダイともなると、鋭く重い突っ込みは強烈で、細いPEラインが切られるのではと、手動ではついつい巻く手を緩めてしまいがち。でも電動リールに一切の手加減はない。事前に設定した負荷を掛け続けるので、大ダイを振り向かせることなく、グイグイ引き寄せてくれる。

番組をご覧になればお分かりと思うが、屋久島では80cmを超える別のマダイに、手巻きではかなり走られてしまった。大ダイに隙は禁物。大ダイ狙いには、かなり有力なウェポンとなろう。なお、大ダイ狙いには7.7ft級のストロークの長いロッドが断然有利だ。

逆に電動タイラバのデメリットとは?

最後に、デメリットにも触れておこう。

電動ゆえに、バッテリーやコードが必要で、装備が重くなることが挙げられる。

それでも最近は、リールに装着できるコンパクトで、従来品の1.3倍の持続力を持つ、小型バッテリーが発売された。通常の使用状況なら、1つでほぼ1日の使用が可能なので重宝している。

 

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