【誰でも分かる! 波止釣り入門】第2回は「チヌ エサと釣り方編」

竹村勝則 プロフィール

元釣場速報編集部のベテラン記者。堤防釣り、磯釣り、渓流釣りなどに造詣が深く、各地の堤防、磯、渓流などに積極的に繰り出している。ウキなども自作するこだわりの強い1面もある。

海の沿岸部には大きな港や漁港、埋め立て地などがある。そこには必ず防波堤や岸壁があり、そこが手近な波止釣り場で、四季折々の魚が釣れる。そこで、魚を上手く釣り上げるための「波止釣り入門」を、数回に渡りまとめてみよう。

始めに…

始めに、波止釣り場は手近で誰でも行ける場所だが、立入禁止、釣り禁止の場所もあちこちにあるので、そのような所には絶対に行かないようにしよう。それと、自分が出したゴミは必ず持ち帰るのがマナー。安全のため、ライフジャケットも着用しよう。

今回のターゲットはチヌ

第1回ではチヌフカセ釣りの道具立てを紹介したが、今回はその続きで、使用するエサと、狙うべきポイント、釣り方を解説。イラストで詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてもらいたい。

第2回 チヌフカセ釣り エサと釣り方編

サシエ

大阪湾などの波止釣りでよく使れているエサは、オキアミ、コーン、ネリエだが、エサ取りが多い時は、ボイルオキアミやサナギなども使うことがある。

エサの付け方は、オキアミは尾バネを取って、尾の方から腹を内側にして、針先を入れ、針いっぱいに刺す。エサ取りが多い時、またはいない時は2匹抱き合わせにもする。

コーンは1粒より、3粒刺しにする方が、目立ってよい。サナギは1つ刺しか、2つか3つにちぎって刺す。ネリエは丸めて針が十分隠れるように付ける。エサの刺し方はイラストを参考に。

マキエ

チヌ釣りにはマキエは欠かせない大事なもの。

マキエの材料は4、5時間の釣りならオキアミ1.5kgか3kgと、チヌ釣り用の配合エサを1袋まぜる。オキアミはだいたい粗潰しにする。

水温が低い冬から春は、チヌのタナが深いので、配合エサは軽いものより重いもので、速く沈めるようにする。

集魚効果を高めるために、生のミンチサナギやアミエビをまぜるとよい。特に、サナギのミンチは効果があるようだ。

マキエの中にコーンを1缶分ぐらい入れておくと、コーンエサで釣る相乗効果もある。

マキエを練る時の水加減は、パサパサでは投入し辛い。かと言って、水が多いと軟らかくなりすぎて、かえって投入し辛い。だいたいオニギリぐらいにまとまるぐらいがよい。

なお、冬場の低水温時期は釣り場によって、サシエ、マキエともにシラサエビで釣る所もある。

釣り方の手順

釣り場へ着くと、まずタモの用意から始める。これは不用意に物を落とした時、すぐにすくえるためだ。

次に仕かけのセットができたら、タナ取りオモリを針に付けて、ポイントの水深を測る。

冬から春の低水温時はチヌのタナが深いので、底を少し切るか、トントンか、少しハワせ気味にする。

仕かけを投入する前に、マキエを潮カミに2、3回、その後、仕かけを入れ、またマキエを1、2回する。

マキエ、仕かけ、マキエを繰り返し、マキエとサシエがなるべく同調するようにもっていくのが、釣り方の基本。

そして仕かけをただ流しているだけでなく、流れているウキを、竿先で少し引いて止めたり、潮カミへ少し引き戻したりする誘いを掛ける。

この動作で道糸がフケてウキを引っ張るのを、少しは制御できる。

アタリがない時は、タナをかえたり、エサをかえたりすると、急にアタリがでることもある。

アタリ

流れているウキが、スッ、スッと少し押さえ込まれるような前アタリの後、スーッと水中に入っていく。あるいは、いきなりスーッと入る。流れているウキが止まって、ほんの少し押さえているような感じや、あるいは根掛かりしたような感じなど、チヌのアタリはいろいろ。

チヌ釣りは遅合わせが基本なので、アタリがあっても慌てることはない。ウキが水中に沈んで、見えなくなってから竿を立てて、大きく合わせればよい。

アタリか根掛かりか分かりにくい感じの時は、竿先でそーっと引いて聞いてみる。チヌが食っていれば、グイグイーッと竿を引っ張るので、そこでアワセを入れる。

エサがコーンの場合は、食い込みが少し遅いようなので、アタリがきてもすぐに合わせず、十分食い込ませてから、合わせるのがよい。

アタリがエサ取りの場合もあるが、合わせても素針を引いた時は、次のアタリがきた時は、さらにもう少し待ってから、合わせるようにすると、バッチリ針掛かりするものだ。

ポイント選びの目安

チヌはかなり広範囲にいるが、やはり好ポイントと言う所はある。波止や岸壁にはたいてい際に基礎石が入っている。ステと呼ぶが、このステ石が場所により際から3~5m、あるいはそれ以上前に入っている。そのステ石周り、かけ上がり、かけ上がりの前方などをポイントの目安にすればよい。

かけ上がりなどの見付け方は、仕かけにタナ取りオモリを付けて、遠近投げ分け、なるべく正確に測る。潮の干満で水深がかわることを忘れないように。

長い波止や沖にある波止は、一文字とも言うが、たいていカーブしている。そのカーブ点の内外は潮の当たりや動きがよい場所なので、ポイントの目安になる。

それと波止の先端付近も潮の通りがよい場所だが、流れが速過ぎるとよくないので、先端よりも少し手前の方がよいことがある。浜から出ている小波止などは、先端周りがポイント。

足下がスリットになっている場所は、その中に魚が入っていても釣ることができないので、スリット際をマキエで誘い出して釣る。

例えば、大阪南港のシーサイドコスモのスリット際を釣る場合は、マキエも仕かけも際から1m以内へ打って、際から離れ過ぎないよう竿先でセーブしながら釣っている。

※魚釣り開放区域が指定されていますので、釣りをする際は釣りが可能な範囲を確認してから釣りをしてください。

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