【誰でも分かる! 波止釣り入門】第3回は「スルスル釣りと沈め釣り講座」

竹村勝則 プロフィール

元釣場速報編集部のベテラン記者。堤防釣り、磯釣り、渓流釣りなどに造詣が深く、各地の堤防、磯、渓流などに積極的に繰り出している。ウキなども自作するこだわりの強い1面もある。

海の沿岸部には大きな港や漁港、埋め立て地などがある。そこには必ず防波堤や岸壁があり、そこが手近な波止釣り場で、四季折々の魚が釣れる。そこで、魚を上手く釣り上げるための「波止釣り入門」を、数回に渡りまとめてみよう。

始めに…

始めに、波止釣り場は手近で誰でも行ける場所だが、立入禁止、釣り禁止の場所もあちこちにあるので、そのような所には絶対に行かないようにしよう。それと、自分が出したゴミは必ず持ち帰るのがマナー。安全のため、ライフジャケットも着用しよう。

今回のターゲットはチヌ

同じ魚を釣るのに、チヌ釣りほどいろいろな釣り方があるのは、ほかに例がない。

チヌの3大釣法と言えば、以前はフカセ釣りと紀州釣りに、筏のダンゴ釣りだったが、今は落とし込み釣りを追加して、4大釣法になったと言ってもよいだろう。

チヌの釣り方は、さらにまだある。コスリ釣り、カゴ釣り、ブッ込み釣りに、今回のテーマのスルスル釣りと、沈め釣りがある。スルスル釣りと沈め釣りは、フカセ釣りが変化、進化!?したものと言え、チヌを釣る優れた釣法でもある。

第3回 チヌのスルスル釣りと沈め釣り

スルスル釣り

フカセ釣りと仕かけはあまりかわらないが、ウキだけはG2ぐらいか0号を使い、遊動ウキ止め糸を付けない、全遊動。ウキ止め糸がないから、糸はイケイケで、スルスルーっと出ていくことから、スルスル釣りという言うが、ウキ止め糸がなかったら、魚が食い付いても、ウキが入らない。

アタリが分からないと思いがちだが、ウキの抵抗がほとんどないので、チヌは安心してエサを食う。ウキから上の道糸は動かないから、ウキに抵抗が掛かって、スーッと沈むアタリがでる。

ウキの浮力が大きいと、アタリがでにくいので、G2とか0号と言う浮力が小さいウキを使う訳だ。

仕かけは図のように、ハリスは2ヒロほど取り、道糸とハリスの継ぎ目に、潮受けゴムを付ける。

これは仕かけを馴染ませるためだが、流れがあるとなかなか沈まず、ポイントを通り過ぎてしまうこともあるので、ゆっくりでも沈ませるために、潮受けゴムのすぐ下か、ハリスの中間に小さいジンタンオモリの7号ぐらいを打つようにする。

釣り方の手順は、まず潮カミにマキエを2、3回打ってから、仕かけを投入。その後、すぐにウキの周りに1、2回、マキエをするのは、フカセ釣りと一緒。

イケイケのスルスルで、ウキの抵抗がないので、チヌの食いが渋い時に効果がある釣り方だ。ただ、風波が強い時は、仕かけが流しい点がある。

沈め釣り

この釣り方は、ウキとエサをゆっくり沈めていくやり方で、際ではタナを探り、前方では広く探れる利点がある。

仕かけの基本はスルスルと同じだが、ウキは00号か000号を使って、ハリスに小さなジンタンオモリを打つぐらいで、ゆっくり、ふんわりと仕かけを沈めていく。ウキはほとんど浮力がないから、小さなジンタンオモリとエサの重みだけでも沈んでいく。

竿先は水面近くまで下げて、仕かけが沈んでいき、道糸が張れば、道糸を出して送り込むのを繰り返す。時々は竿先をスーッと持ち上げて、水中で糸フケを取る。これが誘いにもなる。

これは勘になるが、道糸が竿先から入っていく角度で、今どれぐらい前に仕かけがあるのかを判断する。

チヌのアタリは、道糸の動きと、その後竿先にくるアタリで取る。この釣りも仕かけの投入前に、まずマキエを1、2回、仕かけを入れた後、しばらくしてから追いマキエを1、2回する。

前方を狙っている場合は、どこで、どのタナで、釣れたのか分かり辛いが、とにかく、マキエとサシエをなるべく同調させるイメージで釣る。
潮の流れが速い場合と、際を釣る場合では、少し重い仕かけで、上から落とし込んでいく方法もある。

特に際を釣る場合、遊動仕かけ(ウキ止め糸を付ける)にして、ウキ止め糸を水深より少し浅めにして、そこからエサを落としていく。

ウキが沈んでいって、エサが着底したと思ったら、竿先をソーっと持ち上げては、また落としていくを数回繰り返す。

どの釣り方も、マキエが1番大事なので、少し多めに持参するのがよい。

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