タフコンディションでもタイラバで釣果を伸ばす方法とは? 3つのポイントを名手が解説!

寄稿:佐々木洋三

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

初夏の深場を攻める!

海の変化やマダイの行動パターンを読み解き、結果を導き出す。それがタイラバ釣りの醍醐味だ。手強いほど闘志が湧いてくる。

7月中旬に、徳島新聞の取材やイベントで鳴門・亀浦漁港の「つるぎ」に、3回ほどお邪魔する機会に恵まれた。

船長の西上卓志氏に海況を伺うと、「例年ならばシャローで産卵後の荒食いが始まる時期。ルアーを回収する高速巻きにもガツンと食い付いてくるのに、今年はサッパリだ」と言う。

集中豪雨で河川から流れ込んだ水潮の濁りもあるが、濁り具合は例年とさほどかわらない。

何しろ、エサとなるイワシが少ないと語る。「マダイはシャローにもいるが、どういう訳か口を使わぬ、極めてタフコンディション」なのだと言う。

最初の漁場は、亀浦漁港を出てすぐ、鳴門海峡の北側の水深50~70mの海域であった。しかし、長雨の影響で海は水潮、マダイがタイラバを触ってくる気配はなかった。

船長は次々を漁場をかえる。探見丸にはマダイらしき反応が映るが、なかなか反応してこない。頻繁に実績のある漁場で、ランガンを繰り返す。

たまに、モゾっというマダイらしきアタリがあるのだが、ショートバイトで終わる。

ヒットしても食いが浅く、すぐにバレてしまう。マダイの活性は極めて低い。

水潮で濁りがキツい時は集魚系ネクタイより、潮をしっかり掴んで強い波動を出す、シリコン系のネクタイが有利だ。

私は、ボトムをスローに攻める時にはカーリー形状のネクタイを、宙層早巻きパターンには、ストレート形状を使い分け、波動で誘うようにしている。

瀬と砂地の境目を狙え

サイズのよいマダイは、瀬と砂地の境目に居付いている。そうしたピンポイントに合わせて、船を流すのが船長の腕の見せドコロだ。

しかし、せっかく好ポイントに船を通しているのに、「フックがリーダーに絡んでいる」、「ネクタイがフックやアシストラインに絡んでいる」、というトラブルがいかに多いことか。

回収時に釣り人のタイラバをチェックすると、そんなトラブルが散見されると嘆く。

釣果を伸ばすキモ

西上船長は「タイラバを5回落としたら5回とも、10回落としたら10回とも、ネクタイがちゃんと泳ぐようにセットして欲しい」と。

タフコンディションで釣果を伸ばすには、タイラバのセッティングが肝なのである。

①ネクタイは左右に拡がるようにセッティング!

ウキ止めゴムを被せてネクタイがすぼまるようにセットするのではなく、左右にフレアーするように留めるのがコツ。

それには、ネクタイの交換が容易なチェンジストッパーを使用したアシストラインが有効である。

ネクタイはダブルカーリータイプよりも、シングルカーリーの方が、アシストラインやフックに絡むトラブルが激減する。

この日、プロトタイプのシングルカーリーをテストしてみたが、ほとんどトラブルレス、この秋には皆さまにご紹介できる予定である。

②アシストは1本針で

マダイの活性が高い時は、2本針でも問題ないが、食い渋った時は1本針が断然有利だ。2本針はネクタイの動きを阻害し、マダイを誘う波動を出しにくくなる。

船長も1本針にするように、釣り人に呼びかけている。その方が明らかにアタリが多い。鳴門の本職のタイラバ漁師は1本針を使用しているのも、その証左であろう。

アシストラインは4~6号くらいの軟らかなPEラインを使用。ネクタイの動きを阻害しないようにする。

③大型ワームの可能性

鳴門での一連の釣行で明らかになったのは、大型ワームが食い渋ったマダイにも、効果を奏するという事実である。

スリムなシリコンネクタイよりも、大型ワームに反応するというのは、思いもかけないことであった。

釣り方は、通常のタイラバと同じように、着底してからゆっくりと巻き始め、アタリがあったら、やや巻きスピードを落とすようにする。

場合によっては一瞬、止めを入れてもよいくらいで、大型のワームを食い込ませる間を与えるのだ。モゾモゾとアタり始め、グッと重量が乗った時の喜びは、一入である。

タフコンディションを克服した時の喜びは大きい。スキルアップにぜひ、初夏の鳴門の海に挑戦してほしい。

釣り船つるぎの詳しい情報を見る

ランキング

釣り場・釣り船の情報をまるっとチェック!