釣りの聖地「五島列島」で魅惑の根魚が連発!五島の魅力を紹介!

寄稿:佐々木洋三

夢の島「五島列島」の釣りレポート

磯釣り師が「釣りの聖地」として憧れる、長崎・五島。下五島エリアは2022年1月に、貴重な地形や地質が残る自然公園「日本ジオパーク」に認定された。

釣りの聖地・五島

長崎・五島列島は、約2200~1700万年前に、大陸の砂と泥が川や湖で堆積した五島層群の地層が基となり、その後、火山の噴火によって形成された、火山台地だ。

島数は大小152もあり、地形は複雑。多くの溺れ谷と、見事な海蝕崖が連なる。

そうした立地から多様な生態系、多種の魚に恵まれ、「釣りの聖地」と崇められる由縁となった。また、大陸に近いことから、大陸と関連する歴史や文化が数多く存在している。

そんな聖地に大阪出身の若者が移住し、タイラバ釣りやジギング、イカメタル、エギングなど和製ルアーを中心とする遊漁船「それいけ大志丸」を開業したのが2017年のことだ。

2023年2月、そんな大山隆志船長が里帰りしたタイミングに、フィッシングエイトの八尾栄一社長から「佐々木さんのタイラバ体験会で遠征ツアーを組みませんか?」とご紹介いただいた。

体験会の参加者にお声掛けしたところ、あっと言う間に10人が申し込み。NHKの連ドラ「舞い上がれ!」で五島が話題になった頃である。

そして、五島市のご協力も頂戴して、先着6人での「佐々木洋三と行く五島プレミアムツアー」を開催する運びとなった。

10月中旬、福岡空港9時35分発のANA4697便に搭乗し、福江空港(五島つばき空港)に10時15分着。大山船長が笑顔で出迎え、ホテルまでは船長のワンボックスカーで送迎してくれる。

釣りの準備を整え、早々に港へ向かう。福江市はダウンタウンから港にも空港にも、わずか10分のコンパクトシティーだ。

根魚の聖地

11時半に福江港を出港、20分ほど走った多々良島からスタートフィッシング。

大山船長に伺うと、このところ水深70~100mの漁場で大ダイを連発していると言う。

ところが、はるか沖合の台風の影響で、思いのほか北西風が強く、海上は時化。そのポイントまで走ることができないと言う。

船長は島影になる風裏の水深20~30mのポイントで、根魚メインでマダイも狙おうと言う。

魚群探知機にはベイトフィッシュの反応がびっしり。開始早々、小川一幸氏のロッドが引き込まれ、良型のアカハタがヒット。

篠原大紀氏にイラ、三宅正浩氏にマダイ、アオハタ、さらに小川氏が45cmの巨アコウを釣り上げ、高級根魚のオンパレードとなった。

使用したネクタイは全てオレンジゼブラ、レッドゼブラ、ゴールドゼブラのカーリーとストレートのコンビネーション。

五島のタイラバ事情

私が初めて五島で釣りをしたのは、今から10年前の2013年11月のこと。「第3回ゲームフィッシュ in 上五島2013秋季大会」に参戦した時のことである。

九州はもとより関東からも参加、総勢43人が8船に乗り込んで開催された。私が乗り込んだのは第三哲丸で、首尾よく2・55kg、63cmのマダイを釣り上げ、タイラバ部門の優勝を飾った。

上五島には、それから4年ほど通い詰めたが、福江島上陸は今回が初めてである。

船長によれば、五島灘は対馬海流の分流が流れる海域、天然礁や複雑で速い潮流と豊富なエサに恵まれた好漁場で、マダイ、タチウオ、アジ、イサギ、ハガツオ、マグロ、カンパチ、ヒラマサ、ブリ、ケンサキイカ、アオリイカ、クエ(アラ)などが狙える魅惑の好漁場と語る。

そんな話を伺っていたら、この日、絶好調の小川氏のタイラバに本マグロの幼魚がヒット、すかさずリリース。それにしても豊かな海だ。西陽も傾き、17時にストップフィッシング。

ブリの姿も見せた

2日目の午後にはさらに風が強まるとの予報で、5時の出船となった。海が荒れる前に椛島(カバシマ)の東側の漁場を攻めようという作戦である。海上に昇る朝日を拝みながら、この日の安全と豊漁を祈った。晴れ渡る秋空なのに、昨日以上の強風だ。

釣り方は、この日も全員が左舷に立ってのドテラ流し。水深40mで、昨日も絶好調だった小川氏がレッドゼブラのコブラカーリーでマダイをゲット。幸先のよいスタートとなった。

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ところが、さらに風が強くなり、やむを得なく漁場を移動。椛島を北上し、奈留島の風裏となる東風泊湾へ入った。数多の島々のおかげで、強風でも風裏となる漁場がある。

40cm前後のオオモンハタが釣れ続いた後に、私のドラグを大きく引き出す大物がヒットした。

PEラインは0.8号、慎重に引き寄せること15分。船長のタモに納まったのは、何とブリであった。

大型オオモンハタ連発

さらに、前島の南側の漁場に差し掛かると、オオモンハタのラッシュ。

私がこの49.5cmを釣り上げ、この日1番のサイズかと思いきや、すかさず小川氏が50.5cmを釣り上げ、三日天下、船上は大いに沸いた。

一方、中立公平氏は奇妙な魚を釣り上げた。

外見はホウボウなのだが、胸ビレがひと際デカい。しかも色は茶色、横顔はカエルそっくりという出立ちだ。調べると、セミホウボウという名称。

聖地だけに根魚も多種多様だ。ほかにムシガレイや、多彩な根魚がクーラーに満載。巨大なイラの同時ヒットもあり、楽しい根魚釣りとなった。

マダイの漁場に足を運ぶことはできなかったが、満足のいく釣行となった。

福江島の見どころ

最終日は、さらなる強風で残念ながら出船は叶わなかった。

せっかくの機会だからと、大山船長は参加者を福江島グルメと観光スポットを案内。全員が腹鼓を打っての大満足。

福江島の豊かな自然に惚れ込み、大阪から移住した船長の熱い思いが伝わってきた。

来年6月には本命の大ダイに加え、胴長40cmを超えるケンサキイカもターゲットに、五島での再会を約束。この島には釣り人を虜にする、聖なる魅力がある。

来年もぜひ、五島のタイラバ釣りを探求してみたいものだ。

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

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