タイラバの厳冬パターンの考え方とは?名手「佐々木洋三」が解説!

寄稿:佐々木洋三

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

低水温期のタイラバについて

厳冬パターンを読み解く

冬季のマダイ釣りに、これと言った単純な決め手や、パターンは存在しない。複合要因を読み解き、粘り強く攻略するしかないのだ。

ここでは、分かりやすく解説するために「海水温」と「エサ(ベイト)」という切り口から考えてみよう。

海水温

海水温は、マダイの活性のバロメーター。本来であればマダイが棲息する海底の水温で判断すべきだが、それを把握できないので、海水面の水温を参考にしたい。

一般に、12度を下回るとマダイの活性は著しく低下する言われる。さらに10度を下回ると、ほとんどタイラバを追い掛けなくなる。

その水温になるのは、大阪湾では1月中旬以降だ。目の前に落ちてくるものには反応を示すものの、タイラバを追い掛けるほどの元気はない。

だから、フワーッと落ちてくるサビキ仕かけには反応しても、タイラバには口を使わないのである。

また、前日に9度だった海水温が10度に上がれば、マダイは口を使うこともあるし、12度あった海水温が11度に下がると、まったく口を使わないという日もある。

絶対温度だけではなく相対温度、つまり海水温の変化にも、注意を払おう。

エサ(ベイト)

第2の視点は、ベイトである。私の場合、食べているエサに応じて、リールの巻きスピードをかえている。何を捕食しているか、見極めることが大切だ。

この季節は①イワシやイカナゴ、②アミエビ、③甲殻類、④海苔が主なエサとなっている。

①イワシやイカナゴを追う時は、比較的活性が高いパターン。厳冬期と言えども、比較的速めのスピードで、水深の2/3までは、しっかり巻き上げよう。かなり上の方まで追って来て、アタるのが特徴である。

②難しいのは、アミエビに付いているパターンだ。
釣り上げたマダイの口の中からは、溢れんばかりのアミエビが出てくることもある。アミエビが流れているタナを探り当てるのが難しいので、スロー&ステディー、ゆっくりと等速巻きで、水深の80%までは執拗に巻き続ける。水深50mならば、40mは巻き続けたい。

この時期、ゆっくりと追い掛けてきたマダイがだいぶ上の方でバイトすることもある。しぶとく巻き続けることができるか否かで、釣果が分かれる。アミエビパターンの場合は、アミエビカラーの細身カーリータイプのネクタイが有利だ。

③甲殻類については、これまで何度も解説してきたが、海底の甲殻類をついばんでいるので、タイラバが着底したら、ハンドルを6、7回巻いては落とす、を繰り返す。目の前で頻繁にフォールを繰り返すタイラバに、イラッとしてマダイが食い付くような感じもある。

無駄に中層までタイラバを巻き上げないことだ。ネクタイのゼブラ模様がオススメである。ベースはレッドやオレンジ色だ。

④4つ目は、海苔を食べている場合。
海苔はマダイの大好物。海苔漁をしている海苔ヒビの潮シモに流れてくる海苔を捕食していることが多く、海苔グリーンやコーラカラーのネクタイを漂わすようにゆっくり引いて、マダイが釣れ盛ったこともあった。

こうした巻きスピードをあれこれ試し、答えを探し出すのである。

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