牡蠣でデッカいチヌ（クロダイ）が釣れる!?

「牡蠣」と言えば、冬の味覚で私たち人間がとっても美味しくいただいている食べ物ですが、人に美味いものは魚にも美味い!?のか、ちゃんと釣れちゃうんです。

と言うか、エリアによってはこの時期の特効エサとして抜群の威力を発揮しちゃいます!!

その牡蠣（以下カキ）で大型のチヌが狙えるのは、カキ養殖が盛んなエリア。カキ棚に付いたカキや、そこからこぼれ落ちてくる虫や甲殻類などを食べているチヌにとっては、日頃から食べ慣れている物には思わず食い付いちゃうんです。

季節は3月、山間の渓流では各地でアマゴやヤマメ釣りが解禁されていきますが、日本海側に目を向けると、冬の間休業していたカカリ釣り場が営業再開の解禁を迎えるようになります。

その口火を切るのが、例年3月1日に解禁（定休の木曜に当たる場合は翌日）される福井県小浜湾にある仏谷の児島筏。

小浜湾もこの仏谷や、さらに湾奥の甲ケ崎ではカキ養殖が盛んで、3月や4月のまだ雪解けが入る頃にはエサ取りも比較的少なく、カキエサで50cm前後の大きなチヌが釣れるんです。

エサのカキですが、基本的には筏を営業している渡船店がカキ養殖業も兼業しており、そこで出荷用とは別にエサ用として取り分けてあり、春の時期限定で訪れる釣り人たちに安価で提供しています。

カキのエサは、渡船店ですでにムキ身の状態にしてくれているので、殻を外したり煩わしいことは不要。

水深のある釣り場ですと、殻を付けた半貝などでエサ取り対策やオモリがわりにして落とし込むこともありますが、仏谷の児島筏は水深が5m前後と全体に浅く、この時期は落とし込んでいく時に群がってくるほどエサ取りはいないので、ムキ身で狙うのがベストです。

また、チヌ釣りではエサのローテーションが効果的な場合もあるので、目先をかえたり、カキで反応が悪い時にはボケやオキアミ、さらにはエサ取りの活性があってエサ持ちが悪い時などはサナギやコーン、そしてミックス掛けのサナギコーンも試してみると、時に効果的ですよ。

 

狙い方ですが、仏谷の児島筏は水深が約5m前後と浅いため、竿下だけでなくチョイ投げで広角に探るのが一般的です。

筏によっては前方や横にカキの養殖筏があるので、その周囲を狙ったりするとよいでしょう。

チョイ投げすれば、仕かけが手前に引かれて寄ってこないようにラインを十分送り込んで着底させます。

そして、糸がフケずに、穂先にほとんどテンションが掛からない程度のいわゆるゼロテンションの状態でアタリを待ちます。さらに、じっと待ちます。

アタリがないと意外と誘ってみたくなりますが、活性が低いこの時期はチヌにエサをじっくりと見せて食わせることが重要なんです!!

だから、基本的には動かしません。待ちの釣りです。

と言っても同じ位置で、エサを投入したままか？　と言うとそうではなく、2、3分待ってもアタリがない時は竿を持ち上げてエサを一旦浮かせてから、ゆっくりとテンションを保ちながら着底まで付いていきます。

そして再びステイ。

これを竿下近くまで繰り返して誘えば、仕かけを回収してエサの状態をチェック。次はエサをローテーションするなり、投入点を少しズラすなりして狙います。

アタリを待つ間には、マキエもありです。サシエのカキを小さくちぎって上撒きしてやると、効果がある場合もあります。

アタリはエサ取りのような小さいアタリも、いきなり舞い込むアタリもあるなど多様ですが、アタリの大小に関わらず、しっかり食い込ませることが重要です。節のある力強く押さえてくるアタリをじっと待ってから合わせましょう。

そして、アワセは大きく力強く!!

基本的にカキチヌで釣れるチヌは型がよいんです。40cmクラスがアベレージで、50cm前後の大型もこの時期はよくまじります。

掛かったチヌは筏の下やロープ、あるいは周囲のカキ棚に向かって力強く突っ走りますので、魚に先手を奪われないよう、大きく合わせて頭をこちらへ向けてやり取りの主導権を渡さないように、力強い大アワセは重要です。

やり取り中は、なるべくラインを出さずに竿の弾力を生かして魚の引きをいなしましょう。安易にラインを出すと、バラシの確率が高まります。

ラインは2.5～3号を使う人が多いですが、最近のラインは細くても強度があるので、ラインと竿の弾力、そして自分の腕!?を信頼してやや強引にやり取りする方が取り込める率は上がりますよ。

浮かせれば、タモにフィニッシュ!!

大型チヌを仕留めた満足感が体中に染み渡るハズです。

今年の解禁、3月1日はもう間もなく。若狭の春到来とともに、カカリ釣りシーズン開幕の号砲が鳴る福井県小浜湾仏谷へ、カキで大チヌを狙いに行っちゃいませんか。