【今井浩次の旬を釣る】和歌山・関電沖のチヌ(和歌山・美浜港 平良丸)

今井浩次…船釣り、渓流釣り、アユ釣りetc各地を釣り歩く、おなじみサンTV・ビッグフィッシングの解説者。シマノアドバイザー

和歌山県御坊市の関電沖にある魚礁で、チヌの飼い付け釣りが始まった。越冬場に集まるチヌは型がよく、年なしもよくまじる。また、臭みなど全くなくて身にもほどよく脂が乗り、美味しいのが魅力なのである。

そんな寒チヌを求めて、1月19日に美浜町の浜ノ瀬漁港を基地にする平良丸に出かけてみた。平良洋文船長が飼い付け場にしているのは、水深35mラインにある魚礁のひとつ。

港から20分も走ればポイントに着く。船長は風と潮を計算しつつ、慎重にアンカーを入れた。

寒チヌの専用竿はないので、こういう時は汎用性が高いシマノのライトゲームシリーズから選ぶのが一番楽だ。この日選んだ竿は、ライトゲームCI4タイプ73-H200。使うオモリが80号なので、腰に張りがあるHタイプを選んだ。少し波気がある時は、船の揺れをある程度竿が吸収してくれる少し長めのものがいいのだが、この日は凪だったので取り回しのよい2mの長さを選んだ。

白々明けの6時過ぎ、釣りがスターとした。船長がレクチャーしてくれたのは、底を取ったらすぐに1m巻き上げて、やや小さめに竿を振り、エサを少しだけ撒く。

同じように1m刻みでエサを撒き、3m巻き上げたら、そのタナでアタリを待つ。

同行した井上氏は1投目、「底を取ってタナを合わせている最中に食ってきた」と、45cmを超える良型チヌを上げた。

ふと自分の竿に視線を戻すと、微かに竿先が揺れている…。これは、ひょっとして!? 聞きアワせると、ググッときた。

僕の竿にも1投目にチヌが食ってくれたのだ。目測42、43cm。威風堂々いぶし銀色の寒チヌ。飼い付け場のチヌは、朝になればエサを振る舞って くれると学習(?)しているのかも知れない。

水温が下がり魚の活性も下がったのか、目を見張るような大きなアタリはでない。チョコチョコと上品に竿先を揺するだけか、あるいは居食いしていて誘ってみたら魚が掛かっていた、ということもよくある。

そんなアタリを拾いながら、合計6尾。僕としては上出来の釣果だが、ベテランの井上氏はチヌだけで8尾。おまけに73cmのマダイという嬉しいゲストまで加わって、クーラーも満タンの成績だった。

釣りの19番ホールは食べる楽しみだ。船長に丁寧に血抜き、神経締めまでしていただいたチヌは、身がプリプリ。歯を押し戻すほどの弾力だが、委細構わず噛み続けていると、白身魚特有の爽やかな甘味と旨みが、ないまぜになって押し寄せてくる。

さらに刺し身ばかりでは興がないので、にぎり寿司にしてみたら、これが大正解だった。(文:今井浩次)

平良丸の詳しい情報を見る

※この記事は2019年2月1 日発売の週刊釣場速報に掲載された記事を再編集、 加筆したものです

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