魚は、一般的に産卵を迎える時期を「旬」と言うことが多いが、その旬の反対の時期を「裏旬」と呼ぶ人もいる。身に脂が乗り、数・型も期待できる好期だ。
免許不要のボートでタイを狙う
和歌山・串本の乗っ込みシーズンは2~4月頃と早い。つまりその半年後と言えば、8~10月頃が串本では裏旬となる。
そこで、裏旬のタイを「カセ」と呼ばれる、免許不要のボートから狙うため、串本・大島港から出船しているフィッシング章丸へと乗船した。
当日は5時前に出船し、15分ほどかけて串本湾外のポイントへと到着。小山船長がアンカーを打つと、カセへと乗り込んだ。
「今日は、いい反応がでてます。魚がいますよ」と朝イチから嬉しい情報を船長が教えてくれる。また、「朝イチは、まず魚を寄せるために、天ビンズボからやってみてください」とのことで、まずは天ビンズボ釣りからスタート。
ポイントの水深は55m、底は砂泥地帯なので、根掛かりの心配はない。タックルをセットしたらさっそく、釣りをスタートした。
開始直後いきなりのヒット
仕かけを投入し、仕かけ分リールを巻いてマキエを撒いてステイ。すると、いきなり、ゴン、ゴゴン! と強烈なアタリがきた。しかし、フッと竿先が軽くなる。
「えっ、めっちゃ引きましたよね」と思わず声が出る筆者。仕かけを上げてみると、まさかのラインブレイク。大物の予感がしたアタリに思わずため息。
朝イチのモーニングタイムはまさかこれで終わり? と不安がよぎったが、この日のタイのポテンシャルは半端ではなかった。
気を取り直して再度投入。すると、またもやヒット!これは小気味よいアタリ。大物ではない引きだったが、心地よい引きで上がってきたのは、35cmのタイだった。
65cmの大物が登場
この後もコンスタントに釣れ、9時頃には強烈なアタリでドラグが滑り出す。これまでとは違うアタリに、思わず笑みが零れる。強烈な引きを見せて上がってきたのは、体高抜群の65cmの美形のタイだった。
この後は潮がちょうどよい速さになってきたので、完全フカセでも狙う。これも見事にハマり、3尾追加。気付けばタイ65cm頭に8尾とイトヨリ50cmの釣果となり、満足しながら少し早めの納竿をした。
帰宅して、マダイを捌くと、この時期ってこんなに脂が乗るの? と驚くほどの脂の乗りだった。
今期は数、型ともに期待できる当たり年。ぜひ、脂が乗った美形マダイを狙ってみてほしい。