すでにスタートしたはずのタルイカシーズン。ホームグラウンドである福井県敦賀の各船宿は、連日のように沖に繰り出していますが、なかなか安定した釣果に恵まれることがなく、パターンの絞り込みに苦戦している毎日となっています。
私自身、10月に入ってから中旬の現在に至るまで、すでに6回の釣行をこなしてはいるものの、いまだキャッチには至っておらず、本格化するまでに随分と時間のかかった2015年シーズンを思い出しているところです。
もちろん、苦労を重ねれば重ねるほど、キャッチした時の喜びも増すことを知っていますので、これからもフィールドに通い続けるつもりです。
原因は例年より高い水温?
さて、そもそも今シーズンのスタートが遅れているひとつの要因として、海水温が例年以上に高いということが考えられます。陸上では、連日のように夏日が続いていることに関して、皆さんも実感されていると思います。海中も同様に夏が続いている状態と言えます。
確かに、すでにこなした釣行の折、サバなどのベイトに加え、カツオやマグロ、シイラやカジキといった具合に、見えるもの全てが夏の魚でした。やはりここはひとつ、寒波を伴う北西の季節風により、本格的に水温が下がるのを待っているといった状況です。
しかし、少ないながらも同船者がキャッチする様は何度か目撃しており、その共通点も見られたことから、シーズン本格化を前に報告します。
まずはベイト、前回でも解説しましたが、その時メインとなるベイトが何であるかは、狙うレンジやカラーセレクトを決める上で、重要な要素となってきます。
現在の主なベイトはスルメイカ。スルメイカは極端な状況でなければ、この時期どのレンジにもいるような特性があるので、タルイカのタナが絞り辛く、幅広いレンジを探る必要があります。
ただ、今シーズンの釣れ方を見ていると、いずれもヒットレンジは70~90mと若干深めでヒットしており、これはその時の上潮と底潮の境目とも共通していると言えます。
当然そのレンジには、ベイト感度もより濃く反応がありますので、船長からの指示ダナもおのずとその辺りになってきます。
ここで肝心なのは、狙いのレンジが例えば80mに絞れたとするのであれば、ただそのレンジで漫然と誘い続けるのではなく、そのやや下90m辺りから誘いを入れて80mで止めて、もしくは、80mから誘い上げて70m辺りで追わせて乗せるといったイメージを持ってレンジ攻略します。
ヒットに持ち込んだアングラーに話を伺うと、ヒットした時間帯はバラバラではあるものの、やはり誘い下げからのヒットレンジでのステイ直後や、比較的に長く誘い上げ続けた後のステイでのヒットというものが目立ちました。
以上のことから、これまでは高い水温のおかげでタルイカの個体数は未だ少ないものの、活性自体は高かったということが推察されます。
今現在、待望の寒波が押し寄せており、私自身これが過ぎ去った後のコンディションに期待を寄せているのですが、過去を振り返ってみると11月に入った辺りからいきなりピークを迎え、しかもこのようなシーズンは釣れるのが大型ばかり、といったことの多いタルイカ。
11月頭にはすでに何バイもの10kgオーバーがキャッチされているかもしれませんね。