旨味たっぷりのアジを釣る(大阪・泉佐野発)海新丸

連載:今井浩次の旬を釣る

アジとは味也。其の味の美をいふなり」と説いたのは、江戸中期の儒学者、新井白石だ。

どのような料理にも合う「マアジ」

クセがなく旨味たっぷりのマアジは、万人に愛される魚だ。

タタキと塩焼きは、我が家の定番料理だが、美味しい吟醸酒が手に入った時は、房州の漁師料理だと言われる「なめろう」を少しだけ作って酒のお供にしている。

ざく切りにしたアジの身を味噌に絡めて、出刃包丁で叩く時、叩き過ぎると歯応えがなくなるから、身の感触を少し残して叩くのが、我が家流なのだ。

そんな美味しいアジがまた食べたくなって、釣りに出掛けることにした。

大型アジが狙える友ケ島周辺で狙う

紀淡海峡に浮かぶ友ケ島周辺では、ずっとアジが釣れ続いていて、未だ衰えを知らずの感がある。

そこで、我が家から30分ほどで行ける泉佐野の海新丸を予約した。

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アジは潮回りの大きな日がよいので、選んだのは大潮の最終日だ。

出船は9時とゆっくりで、1時間ほど掛けて友ケ島周辺のポイントへとひた走る。

最初に船がエンジンの回転を落としたのは、加太の瀬戸に浮かぶ地ノ島の東側だった。水深は40mぐらいか?

まだ朝の上げ潮が残っているのか、水面が不規則に波立っている。

胴突き仕かけで狙う

尾バネを切ったオキアミのエサを針に刺し、早速、海底へと送り込んだ。

なぜだか分からないが、ここのアジは底から浮いている群れはあまり口を使わず、海底スレスレに群れている奴だけがエサに反応する。

ゆえに船長は、「オモリが底へ着いたら、20、30cm底を切ってアタリを待つように」と指示するのだ。

この態勢ができ上がれば、無闇に竿を動かして誘うのではなく、静かに正眼に構えてアタリを待つのが正解だ。

もちろん、オモリでトントンと底を叩きながら釣るのもご法度だ。

注目のひと流し目は反応なし。

ふた流し目に本命のアタリがでる

ふた流し目に入って、ゆっくり海底がかけ上がり始めた時、竿先が一瞬だけ、ツンと持ち上がった後、性急で、したたかな本アタリがやってきた。

竿がキュン、キュンと何度も突っ込むのは、鬼アジ特有の引き方だ。

だが、上がってきたのは「鬼アジ」と呼べるほど大きくはなく、30cmあるか、なしかのサイズ。

この場所でもう1尾同じようなアジを追加して、さあ、これからという時に西風が吹き出した。それも強風に近いから、波高があっという間に1mを超えた。

仕方なく沖ノ島の南西側にあるコイヅキの沖へポイントをかえたが、潮止まりに入ったらしく、アタリは遠い。

地ノ島沖へと戻り絶好調に

15時近くになると、風が少し落ち始めた。潮も下げに入ったので、もう1度朝のポイントを攻めてみようと、船長は地ノ島沖へと船を進めた。

風が落ち始めたせいか、波も治まってきている。

船をグンと地ノ島へ近付けて流し始めた途端、まるでスイッチが入ったかのように、アジが釣れ始めた。

ただ、我が家は核家族なので、たくさん釣っても食べきれないと7尾で打ち止めにしたが、竿頭は20尾の大台に乗せた。

筆者の当日のタックル

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