【誰でも分かる! 波止釣り入門】今回は「チヌ フカセ釣り 前編」

竹村勝則 プロフィール

元釣場速報編集部のベテラン記者。堤防釣り、磯釣り、渓流釣りなどに造詣が深く、各地の堤防、磯、渓流などに積極的に繰り出している。ウキなども自作するこだわりの強い1面もある。

海の沿岸部には大きな港や漁港、埋め立て地などがある。そこには必ず防波堤や岸壁があり、そこが手近な波止釣り場で、四季折々の魚が釣れる。そこで、魚を上手く釣り上げるための「波止釣り入門」を、数回に渡りまとめてみよう。

始めに…

始めに、波止釣り場は手近で誰でも行ける場所だが、立入禁止、釣り禁止の場所もあちこちにあるので、そのような所には絶対に行かないようにしよう。それと、自分が出したゴミは必ず持ち帰るのがマナー。安全のため、ライフジャケットも着用しよう。

今回のターゲットはチヌ

それでは、チヌのフカセ釣りの前編の解説をしていこう。

チヌは太平洋側、日本海側と広く分布しているが、特に瀬戸内海や大阪湾など、内湾に多くいる。大阪湾では何十年も以前からチヌの稚魚放流が行われているおかげで、なお魚影が濃く、年なしと呼ばれる50cm級も多い。

波止は大阪湾に限らず、ほとんどの波止にチヌがいるので、釣り方さえマッチすれば、釣ることができる。

チヌはタテ縞模様でヒレをピンと張り、いかにも精悍で、針に掛けるとその引きは強烈で、スリル満点。1尾釣っただけでも満足できる。

それでは、チヌフカセ釣りの道具編から始めよう。

竿

ガイド付きのリール竿で、長さは4.5~5.3m。調子は1~2号。

足下にテトラが入っている波止や、テトラの上から釣る場合は、チヌを掛けると必ずと言ってよいほど足下のテトラへ逃げ込もうとするので、竿は短いより長い方が 有利。調子も1.5号か2号がよい。

チヌが逃げ込める場所がないような釣り場なら、竿は1号か0号前後といった軟調子の竿で、チヌの引きを楽しみながら釣るのも面白い。

その反面、足下がスリットになっている場所では、掛けたチヌは必ずすぐにスリットに逃げ込むので、竿の調子は2号ぐらいを使い、竿の弾力を活かして強引にあしらわないと、スリットのコンクリートにスレて、アッと言う間に糸を切られる。

リール

スピニングリールの2500~3000番クラスで、レバーブレーキ付きリールがチヌ釣りには合っているようで、これを使っている人が多い。

道糸・ハリス

道糸は1.5~2号をリールのスプール一杯に巻いておけば、ほとんどの釣り場で使える。スリットやテトラの上から釣る場合で、年なしクラスの大物がくる可能性があるポイントでは、強引にあしらえるように、少し太い2.5号を使う。

ハリスは1.2~2.5号を用意する。

普段は1.5号か1.7号を使えば、年なしが掛かっても大丈夫だが、スリットやテトラに逃げ込まれる可能性があるポイントでは、2号か2.5号を使う。

潮が澄んで食いが渋い時や、釣れるチヌが小さい釣り場では、1.2号の細いハリスを使う。

ハリスの長さは1.5~2ヒロが目安。

チヌ針はヒネリタイプが多いが、ヒネリなしのどちらでもよく、これは釣り人の好みで使えばよい。

針の号数はチヌの大きさに合わせればよいと言うが、波止釣りなら2号と3号があれば十分。

40cm前後までのチヌなら2号、それ以上の大チヌがくるポイントなら3号を使う。

ウキ

玉ウキ系。上段左から00、0、2B、4B。下段左から5B、8B、1号

ウキはチヌのアタリを見る、大事なものなので、なるべく感度がよいものを使う。

ウキは釣り人の好みもあるが、海がベタ凪の時は棒ウキ系、波気がある時は波に乗る玉ウキ系がよい。

棒ウキ系(筆者の手作り)。左から、1.5号、1号、0.8号、0.5号

ウキの号数は00から1.5号ぐらいまであれば、ほとんどの釣り場で使える。

棒ウキの00号はないと思うが、玉ウキ系なら00、0号から、2号ぐらいまで細かく号数がある。

ウキは失うこともあるので、必ず何本かは持参しておこう。

オモリ

フカセ釣りとは言っても、オモリは必要である。

基本的には、潮の流れが速い所や、水深が深い所では重いオモリ、浅い場所や流れの緩やかな所では、軽いオモリを付ける。

オモリの号数はカン付きの1.5、1、0.8、0.5号。ガン玉オモリの5B、3B、2B、B、G7ぐらいまで用意しておく。

オモリはタナを取って釣るのに、なくてはならない。それとウキのバランスを取るのに大変重要だ。

ウキが水面にポコっと出ているようでは、チヌの食いが悪いので、オモリを追加して調整する役目に用いる。

仕かけ

海の水温が低い時期のチヌは、底の方にいるので、上の図のような遊動ウキ仕かけが基本。

潮の流れは速くて複雑な所や、水深があるポイントでは、仕かけを安定させるのと、速くタナへ沈めるために重い仕かけ。

流れが緩やかな所や、水深が浅いポイントでは、軽めの仕かけにする。

重い仕かけでも、オモリの下のハリスは長く取って、エサをフンワリと落としていくのが、フカセ釣りの基本だ。

ハリスの中間、あるいは針上何10cmかに小さなジンタンオモリのG7を打って、仕かけを安定させつつ、チヌへエサを届けるのに効果的だ。

そのほか、スルスル釣りと沈め釣り仕かけは、次回以降に紹介する。
(次回はエサと釣り方編の予定)

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