これだけ知れば意外と簡単!! 完全フカセ釣り3つの要点

完全フカセ釣りと聞けば、「難しそう」という思い込みで自ら敷居を高くする人もいるが、釣りの現場で初めて体験した人の話を聞けば、「基本的なことを始めに教えてもらえば、1人で十分釣りが楽しめる」と言う人も多い。
ここでは、最低限知っておきたい「完全フカセ釣りの基礎知識」を3つの要点に分けて紹介する。

完全フカセ釣りとは

基本的には、ラインに針とエサを付けただけのシンプルな仕かけをマキエとともに流していく釣り。潮の速さ、エサ取りの状況などに対応するために、沈めるためのサルカンや、浮かせるためのフロートを付けたりもする。

主に、日本海側ではカカリ釣りで、エサ取りが活発化する初夏から晩秋までのマダイや青物などを狙う。

紀伊半島の南紀方面では流し釣りで、カツオが回遊してくる時期によく行われている。

要点1 タックル&仕かけ

竿:ラインが出やすいように中通しではなく、必ず外ガイド式の竿を使用したい。目安はマダイ狙いなら30~50号、青物やカツオ狙いなら50~80号、長さは2~3㍍前後がオススメ。

マダイ狙いなら50号までの船竿で十分対応できる

リール:マキエと同調して仕かけが流れていきやすいように、スプールの回転が滑らかなフカセ用の電動リールがベスト。たいていは「●mまで流して」と船長から指示が出る上、始めの送り出し(予めラインを引き出して仕かけを流れやすくする)や、ヒットラインが分かるのでカウンター付きが便利。

カツオ狙いでは流す距離が短い(15~20㍍前後が多い)ので、イシダイ用リールを使う人もいる。

ライン:張りがあって沈みやすいフロロカーボンラインが必要。太さはマダイ、青物狙いなら6号を目安に7号を巻く人もいる。カツオ狙いではキハダもまじってくるので10号以上が主流。日本海側では、潮によっては200m以上流す時もあるので、ラインは300mは巻いておきたい。

仕かけ:マダイ狙いでは市販のフカセ用2本針(ハリス5~7号、伊勢尼12、13号)を使用する人が多い。青物狙いでは8号以上が無難。

南紀方面のカツオ狙いでは1本針(ヒラマサ針13、14号など)が主流。

潮やエサ取りの状況によっては、フロートやサルカンを使用することもある。

フロートは4~8号を用意しておけば、たいていは対応できる

 

エサ:各地域ともにオキアミが主流。付け方は抱き合わせにして付ける。アピールを高めるために3匹掛けにする人もいる。

エリアにもよるが、フカセ釣りが盛んな日本海の鷹巣、三国エリアでは半日便でオキアミ3㌔板を1人4、5枚が目安。

要点2 マキエとサシエが付いた仕かけを同調させて流す

「マキエとサシエの同調」、完全フカセ釣りのキモは、この一言に尽きる。

そうするための手順としては

①サシエを刺して仕かけを入れれば、リールのスプールをフリーにして片手でラインを掴んでおき、仕かけを流す前に必ずマキエを撒く

②撒いたマキエの中にサシエが入るように、掴んでいたラインを放して仕かけを流していく。この時、仕かけが潮に馴染みやすいように手でラインを数㍍~20㍍程度引き出す(送り出しと呼ばれる。この距離は随時船長が指示してくれる船宿が多い)。仕かけを流した後もサシエを追わせるようにマキエを撒く。

③船長の指示する距離まで仕かけを流す。潮が緩いと、途中でスプールが止まることもあるので、ラインの出が止まらないように注意し、止まれば手で引き出してやる。

④マキエが途切れないように、先行のマキエが見えなくなれば、次のマキエを少量ずつ撒く。仕かけを流している間は、このマキエを繰り返す。

⑤指示された距離まで流してアタリがなければ、リールのクラッチを入れて仕かけを回収。南紀の流し釣りでは、潮上りをするので、指示ダナまで流してアタリを待ち、船長の合図で仕かけを回収。

⑥仕かけが上がってくれば、竿を立ててラインを掴み、ハリスを手繰る。この時、エサの有無は必ず確認しておき、次の流し方を判断する。南紀に比べて、流す距離が比較的長い日本海側では、船長が潮とエサ取りの状況を判断をして、次の流し方の指示(流す距離やサルカン、フロートの脱着など)をしてくれるので、慣れないうちはそれに従うとよい。

要点3 ヒット後の対処

完全フカセ釣りのアタリは、基本的には「ラインが走る」(カツオ狙いではクラッチを入れているので竿が引っ手繰られる)。

青物や大型マダイなどは一気にスプールが唸るように回りだすので、視覚と聴覚の両方を刺激するアタリは、完全フカセ釣りでは至高の瞬間だ。イサギやグレなどのゲストでも、スプールの回転が通常時より早くなるので、リールを見ていれば分かるはずだ。

①アタリがあれば、まずはバックラッシュ防止のためにリールのクラッチを入れる(フカセ用電動リールなら自動でクラッチが入るものもある)。南紀では流し釣りのため、指示ダナまで流せばクラッチを入れてタナ止めしているので不要。

②流す距離が長い場合(日本海側の釣り)は糸フケが出ているので、竿を起こす前に電動リールの巻き上げを始めて、ラインが張ってくれば、竿を大きく起こしてアワセを入れる。いきなり竿で合わせると、糸フケがある分、掛かりが浅くなりバラシに繋がる。

カツオ狙いでは竿が引っ手繰られるので、走る方向と反対側に強めにアワセを入れてフッキングさせる。

③竿の弾力を生かして巻き上げる。

④仕かけが上がってくれば、竿を立ててサルカンやフロートなどの仕かけ上部を掴んでからハリスを手繰る。魚が浮いてくると、取り込みは船長がやってくれるので任せればOK。

カツオ狙いでは、水面付近まで巻き上げて船長にタモを入れてもらおう。

以上が完全フカセ釣りを楽しむ上での基本的な知識。

これらを覚えておけば、初めて挑戦した時でも戸惑わずに大物を狙うことができるハズだ!!

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