2023年7月、シマノから発表されたテンヤタチウオ専用のフラッグシップモデル「サーベルマスターリミテッド」。
今まで「サーベルマスター エクスチューン テンヤ」がハイエンドクラスとして君臨していましたが、さらにその上を行く“リミテッド”。リミテッドにのみ採用が許されている新設計の高弾性ブランクスや、新設計のガングリップを採用しているなど、とにかく気になるコトばかり。
シマノ公式ホームページや、公式動画にて情報や解説が公開されておりますが、リアルな使用感が気になるゾ……。ということで、プロトロッドのテストから携わった吉田 昇平さんに「サーベルマスターリミテッドのリアルなインプレッション」について電話取材してみました!
今回は、「テクニカルガングリップ編」です!
新設計グリップ「テクニカルガングリップ」のアレコレ
まずは、新設計された「テクニカルガングリップ」について。
従来採用されていた「エクストリームガングリップ」との大きな違いは、指先を掛けられるトリガーがあること。そして、左右対称デザインで、右利き左利き問わず使用ができる点。
吉田さん曰く、リミテッドの価値を大きく高めているのがこのグリップで、「自分は想像以上に指先を使って竿やテンヤをコントロールしているんだ」と気づかされたほどなんだとか。
吉田さんが新グリップのテストのために、実際に竿を握り、竿先を人に曲げてもらったところ、「シートが違うだけでコレだけ違うのか。」と驚いたそう。
“コレだけ違う”の中には大きく2つの要素が入っていて、その1つが操作性が高まること。もっと言うと「周りで見ている人には分からない、ミクロ単位での細かい操作ができるようになったこと」。
また、操作をする上で「穂先のブレが抑えられることも大きい」と吉田さん。
タチウオの誘いの中には、リアクションで食わせる誘いがあります。具体的には激しくパシパシッ! とテンヤを弾き、ピタリと止めて食わせたり。
従来のグリップでは、特に「フォースマスター600」などの少し大きめの電動リールで誘うと、止めた瞬間に穂先にブレが生じてしまうことが多かったが、新形状のグリップでは、指でもガッツリとホールドできるため、ソレが起こらない。と吉田さんは言います。
2つ目は「負荷が掛かった時に圧倒的に“楽”なこと」。
従来の乗せているだけの感覚よりも、指を使ってホールドすることで手首と手のひらが真っ直ぐになり、「耐えること」が楽になったんだとか。ドラゴン、または神龍と呼ばれる大型のタチウオであっても、このグリップであればノされることなく上げてくることができる、と確信できるほど。と言います。
と、ここまで聞いて記者は「そこまで指を酷使したら、指が痛くなっちゃいませんか?」と質問。
吉田さんの答えはNO!
と、言うのも、指が痛くならないようにトリガー部分の長さを細かく調整したり、硬すぎない、ややソフトな素材を使っていたり細かな工夫がされているんだそうです。
最後の質問で、吉田さんは人差し指か中指、どちらをトリガーに掛けて使用するか聞いてみたトコロ、中指に掛けて使用するそうです。
こちらは手の大きさによって変わると言いますが、吉田さんはガッツリ握り込んで操作するために、中指を掛けるんだとか。
以上が、吉田さんによる新設計グリップ「テクニカルガングリップ」のリアルなインプレッションでした!
次回は「各番手のインプレッション」について紹介したいと思います。
最後に……お忙しい中インタビューを受けてくださった吉田 昇平さん、ありがとうございました!