イカメタルにおけるスピニングリールの有用性ってなんだろう?

寄稿:横山晴也

先月から秋イカの回遊がなく、厳しい状況が続いている若狭湾。状況が好転する様子もなく、1カ月が経過してしまいました。

こんな時こそ、タックルを見つめ直してみましょう企画第2弾。

前回のロッド選び編に続き、今回はリール選び編と題して、特にスピニングリールの有用性について話をしたいと思います。

スピニングリールvsカウンター付きベイトリール

イカメタルで使われるリールは、スピニングリール(2000~3000番)とカウンター付きの小型ベイトリールの2種類に分類されます。

カウンター付きベイトリールは、糸の種類を選ばず、細かくタナを取りやすいため、最近の主流となっています。

一方、スピニングリールは、色分けされた糸を使用してタナを取る必要があり、細かくタナを刻んで、ねちっこく攻めることは苦手ですし、フォールスピードの調節もしにくいです。

では、そんなスピニングリールを使用する利点とは、一体どのような時でしょうか。

①タナが浅い時
スピニングロッドはベイトロッドよりも繊細な機種が多く、タナが浅い時にはスピニングタックルにすることによって、アタリを多く捉えることができます。

より軽いメタルスッテにも対応できるため、スッテ選択の幅が広がります。

②遠投して横の攻めをしたい時
カーブフォールを利用して、3次元的な誘いを掛けるには、キャストトラブルが少なく、遠投も可能なスピニングタックルが最強です。

イカが浅ダナまで浮いてきた時、必ずしも船の真下に群れる訳ではありません。

船周辺にできる潮目や漁火が照り付けていないような場所などは、案外穴場になっているのです。

投げれば爆釣、バーチカルでは沈黙といった状況もかなり多いです。

ストレスなく、スピニングリールを使用するコツ

①楽にタナを刻む方法
カウンターがないスピニングリールでタナを取るのはひと苦労です。

どうしてもPEラインの色がわりを見て判断するしかありません。

各メーカーからさまざまな種類の色分けラインが販売されていますが、いくつかのポイントを押さえて選ぶとタナが取りやすくなります。

・10m毎に色がわりする物を選びましょう。

さらに、色がわりが5色の物と3色のものがあります。浅場での使用ではどちらでも大丈夫です。

・構成色の変化が分かりやすい物を選びましょう。

オレンジ→白→緑のようなハッキリとした色がわりで、染色も濃い物を選択するのがキモです。

また、赤→ピンクや緑→黄緑(黄)など同系色が連続していないかも要チェックです。

さらに、何度も使用していると、白と淡い色の境界(例:白→淡黄色)は色落ちや変色によって分かりにくくなることがあるので、注意するとよいと思います。

・少し太糸がポイント!

若狭湾のイカメタルで最も使用されているPEラインの太さは0.6号ですが、細糸は見にくいため、私はスピニングリールに関しては0.8号を巻くことで、少しでもラインを見やすくしています。

道糸を多少太くしてもイカや竿先感度への影響はありません。

ただし、太過ぎてしまうと、潮が速い時には糸が流れて周囲の方と絡むことがあるので注意が必要です。

②フォールコントロールも自由自在
シャクリ上げてからクラッチを切って、すぐに仕かけを落とせないことはスピニングリールのデメリットですが、これをカバーできるのがレバーブレーキ付きスピニングリールです。

磯釣りなどでよく使われるリールで、人差し指でクラッチを切って、ハンドルを逆転させながら仕かけを落とすことができます。

さらに、仕かけを落とすスピードも人差し指で調整ができ、ベイトリール感覚で細かな操作が可能な優れものです。

現在では、各社から小型のレバーブレーキ付きスピニングリールも発売されており、イカメタルタックルとの相性も抜群です。

③身切れに注意!
身の柔らかいケンサキイカや脚の短いヤリイカは、巻き上げ途中で身切れすることが多いため、ゆっくりと巻き取ることが必要です。

最近ではハイギアリールの人気が高まっていますが、イカメタルではノーマルギアのギア比が低い物がオススメです。

また、釣れた時にゆっくり巻くことでシングルヒットをダブルヒットに持ち込めたり、タナを細かく刻んで、ねちっこく誘いを掛けていく場合、巻き取りの少ないノーマルギアの方が、メリットがたくさんあります。

ぜひ皆さんも、ベイトタックルとスピニングタックルの両方を揃えてみてはいかがでしょうか。

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