【大ダイ連発】“明らかに大型が釣れる”アイテムを徹底研究!

寄稿:佐々木洋三

佐々木洋三(ささきひろみ) プロフィール

タイラバ、ジギング、バチコンなど様々なオフショアゲームに精通している名手。釣り雑誌や釣り番組などにも多数出演している。シマノアドバイザー、金龍鉤スペシャルスタッフ、Fishing Laboさゝ木代表

梅雨が明けたのかどうかもハッキリしないまま、盛夏を迎えた今年の夏。

かと思えば、停滞する前線は各地に豪雨の被害をもたらした。

天気図を見ると、まるで秋雨前線が停滞したような様相で、気温の高さが前線にエネルギーを与え、この大雨を降らせたように感じる。

私が足繁く通う高松方面では、早くも岡山三川から流れ込む濁流で海水は濁り、マダイの活性は著しく低下。

例年ならば秋雨シーズンのパターンである。早くも濁り対策が釣果を分ける状況となってきた。

このように、海況や天候、乗っ込み、産卵やアフタースポーンなど、シーズナルなマダイの状況に応じて、釣り方もタイラバも、大きく進化を遂げてきた。

前回は「ネクタイ」、「フック」、そして、「ヘッド」とそれぞれのパーツごとに進化を解説してきた。

前回の記事はこちらのリンクから

進化するタイラバについて名手が解説! “今の釣り”を知って釣果に繋げよう

 

大きいワームの可能性について

今回、取り上げたいのは60cmオーバーのブラックバスを狙う「デカバスハンター」たちが使う「Big Worm」の可能性だ。

6月初旬、鳴門の「釣り船 つるぎ」で開催したタイラバ体験会の時に、Big Wormでマダイを掛けた参加者がいた。

バチ・コーラカラーで良型をゲットした沼田智行氏

お馴染みの西上卓志船長は「大きなワームには大ダイが食ってくる」と断言する。

魚は1回の捕食行動で、少しでも大きなエサを口にした方がエネルギーの効率がよい。

だから、大ダイほど大きなエサを捕食する傾向があるという訳だ。

西上船長によると、タイラバをやり込んだアングラーは、現在、主流の細身のネクタイをはじめとするフィネス(繊細)な釣り方に傾注している。

だからBig Wormを薦めても終日使い切ってくれない。

一方、タイラバ釣りは初めてという釣り人は、大きなワームでも平気で使ってくれる。

だから、大きなマダイを仕留めることができるのだと言う。

上の3尾はシリコンネクタイで釣り上げた上位3尾。プロトのワームには、下2尾のこの日最大魚がヒットした

入門者にこそ、使って欲しいのが、Big Wormだと語る。

このBig Wormの可能性を探る上で、鳴門海峡という激流でしか成り立たない釣りなのか、各地の漁場でも成り立つ釣法なのか、まず、それを検証する必要があった。

庵治沖

翌週には四国最北端の庵治沖でテスト。

大阪の「ヤマネコ会」が、高松を代表する「ポセイドン」、「豊綾丸」、「ゴクウ」、「レッドスナッパー2」、「セブンゴッド」、「優勝丸」の6隻をチャーターしての、タイラバカップに参戦してのテストとなった。

ルールはマダイ1尾の長寸を競うもので、優勝は60cmを釣り上げた宮本憲一氏。

私が乗船したのは庵治港の「セブンゴッド号」。

フックのセッティング方法などに課題はあったが、それでもBig Wormで49、50、51cmの良型を揃えることができた。

3尾の合計長寸で勝負したら、明らかに優勝したに違いない。

そうしたポテンシャルを感じさせるBig Wormであった。

明石沖

8月上旬、次にテストをしたのはお馴染みの明石の「魚英」である。

激戦区の明石の海域でも試してみたかった。

ここでは、フィネスな細ネクタイで釣りをする常連と、ワームに明らかな違いが出た。

早朝の潮がよく動く時間帯にはBig Wormにアタリが頻発。

ユーチューバーの「あんぐらーKAI」さんも同船し、Big Wormで良型を次々とゲット。

ところが、潮が緩むとフィネスなシリコンネクタイにアタリが集中した。魚谷直毅船長は緩い潮ではBig Wormの動きが弱く、シリコンネクタイに比較して、十分な波動が出ていないのではないか、との意見である。

緩い流れでもよく動くWormの形状が求められる。

そんな時間帯に開発中のLong Wormをテスト。良型のイネゴチがヒットした。

このWormは緩い流れでもよく動き、根魚にもアピールしていることが確認できた。

関西ではワニゴチと呼ばれることが多いが、正式にはイネゴチである。

高松沖

8月中旬、高松の西海域で同様のテストを繰り返した。

試作品のBig Wormを携えて、高松の「優勝丸」へ。

台風が通過したばかりで、昼からは吹き返しの強風予報だ。

風光明媚な高松沖は多くの島々によって急流の瀬戸と、緩流の灘が好漁場を形成する。

果たして開発中のプロトが、この漁場にも通用するのか?

プロトワーム

そして、最初のひと流し、大ダイをターゲットに開発したBig Wormに、信じられない大ダイがヒットした。

水深はわずか20m。ジージーとドラグを鳴らし、ようやく石川船長のタモに収まったのは堂々、72cmの体高も厚みもある、立派なマダイであった。

釣り人は「サントリーOPA!」のメンバーで、この日のテストに参加していただいた中立公平氏である。

大ダイ狙いの「Big Worm」、ここに開幕‼ である。

筆者は開発中のBig Wormのカラーや形状を、あれこれとローテーション。

大雨の影響で濁った潮でもアピールするシャインオレンジカラーのLong Wormをセットし、54cmのマダイを誘い出した。

濁り対策に、グロー成分を配合した鮮やかなオレンジカラーは、極めて効果的だった。

続いて、グロー成分を配合したバチコーラカラーを試してみると、これにもいきなりガツンと食い込む大きなアタリ。

バチ・コーラカラーも濁り潮には効果的であった。

フックセッティングの方法

Big Worm、Long Wormともに、喰わせ鈎のバーブレスシングル仕様としたが、これまでほとんどバラしたことはない。

テスト中の金龍鉤のアシストフックが上唇をスッと縫い刺し、いい仕事をしたことも付け加えておきたい。

アフタースポーンの食い渋りの時期にはBig Wormを食うまで時間がかかるので、アタリがあったら、巻く手を止めてロッドティップが引き込まれるのを待つ。

活性の高い季節には、この大きなワームを吸い込んでガツンと竿先を引き込むので、全く通常のタイラバ釣りと同様である。

テスト結果は「明らかに大型のマダイが釣れる」

これまでのテストを通じて、私が確信したことは…
シリコンネクタイと比較し、明らかに大型のマダイが釣れること
シリコンネクタイよりもちぎれにくく、ネクタイ絡みのトラブルが少ない
ワームのセットや交換はとても簡単、の3点だ。

皆さんも、ぜひBig Worm、で大ダイにチャレンジしていただきたい。

次号では、具体的なワームのセッティング方法を紹介しよう。

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